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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》E
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「チームごとに左右に分かれ、挟撃の陣形をしつつ接近。ヴィレッタ、レックス、カイトが離れた瞬間に全力攻撃を与えます」

 凛とした声でウンディーネの女性が指示を出す。援軍組と先行組に分かれ、俺たちはセインさんを先頭にアルセさんとユウキさんと共に左側、大ムカデの後方から接近していく。
 予定位置にほぼ同時に到着すると、龍のレックスと、カイトと呼ばれたサラマンダーの男性がそれぞれ大ムカデに強撃を見舞って離脱する。龍が離れていく時、背にチラッと小柄な女性の姿が見えた。彼女がヴィレッタなのだろうか。

「みんな、行くよ!」

 セインさんの声でハッとなり剣を構える。この距離だと突進系ソードスキルでも届くかは微妙なところだ。さらに言えばこの場合、突進系より射程は短いものの威力のある連続技を使った方がいい。ある程度接近する時間を使ってでも自力で接近するしかない。
 他のメンバーも同じ考えらしく、強撃をくらって硬直している大ムカデに一気に接近して行った。
 最も最初に到達したのはユウキさんで強烈な紫色の光を剣に宿すと目にも止まらぬ早さで連続突きを繰り出した。次いでアルセさんは2連続蹴りの後、猛然と拳を拳を打ち込み始める。セインさんは俺と同時に到達したようだが、この先はもう気にしてはいられない。今、自分が使える最も強力な攻撃は《ハウリング・オクターブ》という8連続攻撃だ。突撃モーションが無い分射程はかなり短いが、その分高威力だ。起動モーションを取る為、右腕を体の右側で半円を描くように引いていく。

「う……おおぉッ??」

 滅多に上げない気合の声と共に引きった右腕を突き出す。1撃、2撃、3撃……と合計5つの高速突きの直後、斬り降ろし、斬り上げと技を続けていく。そして最後、全力の上段斬りが大ムカデを大きく切り裂いた。

「ギイイイイィィィィィィッッッ??」

 ソードスキルの多重連撃は流石の大ムカデにも応えたか、HPを大きく減らしつつ海面に倒れ込んだ。
 連続技の反動で全員が技後硬直に見舞われる中、大ムカデが倒れこんだ水面に複雑な文様が浮かび上がる。人の持つ危機回避能力故か、ALOを始める時に観たPVが脳裏に思い出された。あれは確か、メイジクラスの紹介で広域魔法として紹介されたやつだ。目の前にあるそれはPVのものとは規模がまるで違うが直感的に、本能的にソレは俺たちがいるのをお構い無しに大ムカデごと周囲を焼き払おうとしている、と感じた。
 技後硬直が解けるや否や、今までに無く必死に翅を震わせ、その場を離脱する。直後、空気が弾ける音と共に轟雷が大ムカデを貫いた。雷撃はそのまま収まるのではなく、周囲を奔り回り、仮想の空気を震わせた。
 それらが全て収束した時、大ムカデはもう起き上がることなく、力なく横たわったまま爆散した。

「お
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