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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》E
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ったウンディーネの女性、手ぶらのプーカの女性に長棍を小脇に抱えたシルフの男性とその後ろには見知った顔であるリズベットさんが居た。

「あれ、リズも来たの?」
「ええ。ちょっとライトに用事があって」
「俺に?何ですか」
「えーと……長くなるから後でね。やっほー、アスナ!」

 リズベットさんは視線左右に動かすと後方に居たアスナさんの方に飛んで行く。話を逸らされたようだが、まあ後でと言うならそれで良い。
 降りて来たメンバーの内、ウンディーネの女性が前に出て来て全員に向けて話し始める。

「みんな、悪いのだけれど。諸事情で手早く片付けてここを離脱しなければならないの。制限時間は恐らく20分程度。それ以降の戦闘は少し面倒になる可能性があるわ」
「と言うと?」
「ここより少し南でPKプレイヤーたちとノームの正規軍が戦闘してて徐々にこちらへ戦域が移動してるの。PKプレイヤーたちの数が尋常では無くて、ノームの方が劣勢だったからハンニャさんとセラさんが加勢したけのだけれど、いくらあの2人でも手に余す程の数は居たと思うわ」
「……なるほどね。《狩猟大会(キリング・パレード)》か」

 ウンディーネの女性とセインさんの間でぽんぽんと話が進んで行き、凡その事情は分かったが、最後の《狩猟大会(キリング・パレード)》というのは聞いたことが無かった。ユウキさんを始めとした、水中に潜った組と新たに来た援軍の面々も首を傾げているので情報通のセインさんだけが知っているかもしれない。

「この話は後、ギルドホームに帰ってからにでもしよう」
「……そうね。じゃあそろそろ行きましょうか」

 怪獣大決戦はさっきより激しさを増していた。巨体にも関わらず、大ムカデの吐く酸を器用に避ける龍。龍もお返しとばかりに鉤爪や顎の牙を突きたてようと襲い掛かるが、無数の足に遮られて上手く当てられていないようだ。

「……あれに飛び込むんですか?」
「そういうことになるね」
「巻き込まれただけでHP吹き飛びそうなんですけど」
「気をつければ大丈夫だよ」

 吹き飛ぶことは否定しないんだ……。
 そう言えばこんなやり取りも大分慣れたものだと精神安定の為、現実逃避気味に思考を逸らす。しかし、目の前に現実があるのであまり効果は無かった。ついでに言えば怪獣たちの間を縫うように翔んで大ムカデに強撃を与えているサラマンダーの男性が容赦なく俺の認識を揺さぶってくる。

「それではアスナさん、シウネーさん、ホルン先輩。援護をお願いします」
「了解!」
「はい」
「はいはーい!」

 アスナさんとシウネーさんが呪文を、ホルンと呼ばれたプーカの女性が貫頭衣の下から出した見たことのない弦楽器を鳴らす。たちまち体が様々な色の光に包まれ、バフアイコンがズラッと並んだ。
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