2部分:第二章
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第二章
「それこそ百敗する位やったんや」
「そうやったんか」
「そうやった。満足せなあかんで」
こんな話をする母娘だった。そしてそれを見てチブスはすぐに自分のすることが何か考えた。当然それは悪魔としての考えである。
「よし、それなら」
彼は言うのだった。
「阪神を負けまくるようにしてやろうかな」
「そうだ、阪神は負けろ」
ここでもう一人の声がしてきた。
「負けて負けて負けまくれ。それが神の御意志だ」
「何、神!?」
神と聞いてだった。チブスはすぐにその声がした方に顔を向ける。するとそこにいたのは何と天使であった。悪魔の宿敵の彼等である。
「御前、天使か」
「左様、私は天使」
金髪に青い目の中性的な顔立ちをしている。白い服を着ており背中には白い翼がある。頭の上には白い輪さえある。そしてその天使は名乗ってきた。
「天使ミザルよ」
「ミザル」
「なったばかりだけれどね。神は阪神の敗北を望んでおられるのよ」
「何だよ、それは」
「阪神は滅多に優勝してはいけないチーム」
ミザルは言うのであった。
「だからよ」
「何で滅多に優勝したら駄目なんだ?」
「阪神だからよ」
理由になっていないが何故か納得できる言葉だった。
「神はそう仰ったわ」
「じゃあ何処が優勝しないといけないんだよ」
「中日よ」
ミザルはそこだというのだ。
「中日こそがなのよ」
「中日!?そんなチームがあるのかよ」
「神の好物はきし麺に味噌カツ、それに天むすにういろうなのよ」
「何でそんなもの好きなんだよ」
「それに対してサタンの好物は」
何故か食べ物の話になっている。
「きつねうどんにたこ焼きにお好み焼き、それと河豚ね」
「よく知ってるな」
「知ってるわ。とにかくね」
「その中日を優勝させるのが神の意志なんだな」
「そして阪神を負けさせることが」
「よし、それならおいらはだ」
神の意志に反することが悪魔だ。それならもう選択肢は一つしかなかった。チブスはその選択肢を正確に選んだのであった。
「その阪神を優勝させるぞ」
「それが今回の悪魔のやり方なのね」
「そうだよ。見てろよ」
最早売り言葉に買い言葉だった。
「阪神を優勝させてやるからな」
「こっちもよ。中日を優勝させてやるわ」
こうして二人の戦いがはじまった。まさに龍虎の戦いだった。その戦いがはじまってだ。二人は甲子園と名古屋を中心に日本全土を回ることになった。
チブスは阪神についてだ。その活躍に力を貸した。
「よし、ここだ!」
外野フライが来た。かなり大きい。
そのボールにフォークを向ける。そこから黄色い稲妻に似たものを出してそれでボールを操る。そのままスタンドに放り込んだのであった。
「やったーーーー!金本決勝
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