―もう一回―
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日」
マネージャーの女性に当面の宿泊施設たる、古い倉庫のような場所に連れてこられ――そこでもエドが所有するカードの整理、という仕事があったが――何とか休みを貰えたらしい。万丈目と二人してソファーに倒れ込み、そのまま意識を失いそうになってしまう。
「……腹が減った」
だが万丈目のそんな一言で、何とか意識を取り戻した。言われてみれば食事を取っておらず、意識すれば腹も減ってくるもので。
「行くぞ遊矢。安い早い美味い店くらいあるだろう」
「お前、本当に金持ちか?」
随分と俗っぽい万丈目のリクエストに応えながら、俺たちは私服に着替えて外へと繰り出していく。エドを後援する千里眼グループのお膝元の町だけあって、深夜でもまだ大分活気は残っている。久方ぶりに見るアカデミア以外の街の様子に、懐かしげに見ていると――千里眼グループのデュエルスタジアムが、まだ光を放っていることに気づく。
「ふん……外のレベルを覗いてやるとするか」
それには万丈目も気づいた上に興味を惹かれたらしく、そのデュエルスタジアムの方へと二人は歩む方向を変える。……しかしデュエルスタジアムに行くより以前、俺はある場所に気づくこととなった。
「おい、万丈目。……あれは」
それは目立たない路地裏だった。常人ならば夜には立ち寄るまい、と思わせる雰囲気の場所だったが……よく目を凝らせると、ソリッドビジョン用の電流が通っている。気になってしばし近づいてみると――そこには。
「エドだと?」
怪訝そうな声で万丈目が呟いた通り、路地裏の向こうではエド・フェニックスが、誰とも知らない男とデュエルしていた。それもどうやら行われているのはハンデ戦のようであり、フィールドはエドの絶対的な不利な状況で。
「秘密の特訓、ってことか……」
「遊矢。今日の晩飯は弁当に変更だ」
俺たち以上のハードスケジュールをこなしておいて、さらに特訓を重ねるエドの姿に、万丈目は何を思ったのかきびすを返して弁当屋に入っていく。そこで適当に二人前の弁当を買うと、俺たちの宿泊施設へと戻ろうとしていた。
「エドも馬鹿な奴だ。あんな雑魚と百回だの千回だのデュエルするより、遊矢、お前と万回デュエルする方がいいに決まっている」
「……ああ、そうだな」
未来のライバルたるこの万丈目サンダーに塩を送るとは、エドめ後悔するがいい――と不遜にも語る万丈目とともに、俺たちは宿泊施設へと戻っていく。弁当を机の上に、デュエルディスクを腕に、すばやくどちらも設置すると、お互いにデュエルの準備を完了させる。
「行くぞ遊矢!」
「ああ――」
『デュエル!』
遊矢LP4000
万丈目LP4000
「オレの先攻!」
デュエルディスク
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