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リリなのinボクらの太陽サーガ
バーサクブレイズ
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動させて立ち向かった。


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新暦67年9月19日、11時43分

砂漠地帯北東部の南寄り、地下シェルター。天井から崩れてきた瓦礫も多く、何本か風化している多くの支柱がそこかしこに並ぶ広い空間の中、そいつはいた。先程の管理局部隊集合地点で起きた異変時の映像、及びこの辺りでなのはが局員達を回収していった映像を複数の空中投影機で映しながら、彼は仲間の下へと送っていた。

「うぅむ、実験場にいた管理局員の半分以上が心停止か精神崩壊でくたばってしまうとは、まだコントロールに難がある。だが実験自体は成功している以上、少し調整すればあの俗物に渡すものとしては十分な出来か。まぁそんなものよりも眠り姫だ。ライマーが取り逃がしてから、また随分と力を付けていたようだな。本来のデバイスが無い状態で、数十人もの管理局員を手玉に……。いや結構結構、“素質”が育まれるのならばどんどん成長してもらおう。我々にとっては彼女の“素質”こそが重要なのだからな」

「それはどういう意味か、詳しく説明してもらおうか?」

彼の近くから渋い男の声が響く。そこにはフェイトの相手をなのはに任せ、バイクを全速力で走らせて来たジャンゴと太陽の使者おてんこの姿があった。シルクハットを被り、右に片眼鏡を付け、時計みたいな意匠が施された服装で杖を持っている研究者じみた太ましいイモータルは、空中投影機から彼らの方へ身体を向けた。

「フェイト達の様子がおかしくなっているのは、お前が原因だな?」

「その通りだ、世紀末世界から来た太陽の使者と戦士。ああ、お前達とは初対面であったな……少し自己紹介しておこう。ワタシはストーカー男爵、ヴァランシアに所属する一科学者である」

「イモータルの科学者とは珍しいタイプだ。しかし、それならお前はここで何をしている?」

「ワタシの研究に興味があるのなら、科学者として説明してやる義務があるな。……今ここで行っている実験は“SOPによる管理局員の絶対兵士化”だ」

「絶対兵士?」

「管理局の人間には甘い奴が多いからな。相手の事情次第では自らの感情によって勝手に命令不服従、及び自分や組織への疑問を抱いてしまう事がある。管理局のSOPはそういった反抗をさせないために用いられているのだが、それでも敵に情が湧いたり、知人や友人と戦う事になれば攻撃をためらってしまうのが人間というものだ。よってSOPの機能を拡張させて心に根付く仲間意識を排除し、ただ命令に従い戦闘を遂行するだけの兵士に変える。それが絶対兵士化だ。しかし薬漬けや記憶封鎖を行うのは駄目だ、本来の力が発揮できなくなって弱体化する恐れがある。故に無感情で戦わせるのではなく、敵対している人間に対して負の感情が湧きたつ記憶を蘇らせ、怒りの
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