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リリなのinボクらの太陽サーガ
バーサクブレイズ
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前に先手を打つことにした。

「ったくよぉ。いつか“裸の王様”になると忠告したそばから、アレな連中に利用されやがって……」

ところどころ鉄骨が飛び出したコンクリート製のビルの支柱を力ずくでぶっこ抜き、右腕に装着して凄まじいエネルギーを行き渡らせた。圧倒的な迫力を見せる建築資材(マスブレードもどき)を直接持ち上げ……、

「まぁそれはそれで叩きのめす口実が出来たんだけどな! ハハハハッ!!」

大砲の如く突進、魔導師部隊に奇襲を仕掛ける。一応前回のビル投げより規模はマシとはいえ、当たれば多段HITで死―――にはしないが、即撃墜は間違いなしの攻撃を急に視界に入れた魔導師部隊は反射的に回避機動を取る。だが……、

「ノロい! ノロすぎるぜ、お前ら!!」

ズゴォォォォォォンッッ!!!

元々エース級の実力があるフェイト、アーネスト、カイはギリギリ回避に成功したのに対し、部下二名が間に合わずバックスクリーン直撃打のホームランをされた。明らかに人間の身体から鳴っちゃいけない音を響かせた直後に砂漠に人型の穴が二つばかり開くのを、本来なら驚くなり救出なり何かしら反応するであろうはずの彼らは、

「敵の襲撃を受けた、攻撃を開始する!!」

「先日の借りを返させてもらおうか、質量兵器人間め!!」

「敵の忠告を受け入れる理由なんてそもそも無かった。お前を倒せばそれで解決するんだ!」

苛立ちの含んだ声音で攻撃宣言してきた。更に吹き飛ばされた二名も一撃で満身創痍となった身体を無理やり動かそうとしており、それはまるで執念に取りつかれながらも“壊れた人形”と言い表せる姿だった。だがダメージが大きすぎるので微細にしか動けず、戦闘行為なぞ以ての外であった。

血管が浮き、目が赤く血走った表情のフェイトがザンバーを建築資材に振り下ろし、ビーティーは遠心力を利用して跳ね返す。あまりの質量の差でフェイトは勢いに煽られてひるむが、その大振りで生じる隙にアーネストとカイが両脇から同時攻撃。サイボーグの膂力で強引に姿勢を変え、巨大な盾と建築資材で攻撃を阻む。体勢を持ち直したフェイトは彼女の両腕を封じたと判断し、背後から迫る。それに対し、

「あらよっと」

「なッ!?」

左足でバルディッシュの柄を掴み取った。

生身の人間には絶対に出来ない曲芸じみた対処法にサイボーグの器用さと特殊性を目の当たりにしたフェイト。そのわずかな動揺を見逃さず独楽回しのようにビーティーは彼女をグンッと引っ張り、砲丸投げの足バージョンとして勢いよくぶん回して遠方に放り投げる。

『それなりに手加減はしてやった。隠れたまま放っておくか、叩きのめして目を覚まさせるか、後は好きにしな!』

一瞬だけ無線機越しに聞こえたビーティーの言葉を受け、既に動き出
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