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リリなのinボクらの太陽サーガ
バーサクブレイズ
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にいるサイボーグと話をしたい気持ちと、次元世界の安寧を守らなければならない立場の板挟みに、世の中ままならないものだと嘆息する。

「はぁ……執務官の資格を取れていれば、もう少し自由に動けたのに……」

しかし取れなかったものは仕方ない。自分の力不足が原因なのだから、次は合格できるようにもっと精進するしかないと決意を抱き、

―――ドクンッ!

「うぐッ!!!?」

心臓の鼓動が一度だけ大きく鳴った瞬間、フェイトは三半規管に変調をきたしたみたいに視界が急に揺らぎ、平衡感覚が乱れてしまう。異変はそれだけでなく、これまでの様々な……兄を失った時の記憶、なのはの殉職を聞いた時の記憶、その他大きく感情が揺さぶられた瞬間の記憶が急に湧きだし、怒りの感情だけ(・・)が鮮明に蘇ってくる。

「な……に、これ……!? 頭が……! 心が、おかしくなる……!! 私が……私じゃなくなる……!! ……ア……グガ……!!?」

訳もなく暴れたくなる衝動が湧きあがり、自分が書き換えられていく感覚にフェイトは恐怖するが……破壊衝動の快楽にも飲み込まれつつあった。異変は彼女だけでなく118部隊の面々、及びこの一帯に集合していた管理局員すべてにまで及んでおり、窒息しそうに悶え苦しむ者や近くの仲間に怒りをぶつける者、胃の中身を吐き出す者にアンモニア臭の液体を股間から漏らす者、泡を吹いて呼吸すら困難な状態に陥っている者もいた。ただならぬ事態が起きていると理解はできても、フェイト一人では何も出来なかった。

「……ウ……ゴ…………。……」

そして……誰一人為すすべなく、精神が砕け散ってしまった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新暦67年9月19日、10時38分

「お、降ろしてく――――ウワアアアアァァァァ (アアアアァァァァ)!!!!!」

『了解、回収します』

フルトン回収装置から膨らんだバルーンが気絶した管理局員を空へ引きずり込み、ヘリパイロットからの連絡が届く。随分長く戦ったが、今の回収でジャンゴの視界にはもう一人も管理局員はおらず、もぬけの殻となった装甲車やトラックしか残っていなかった。

『ヘリの収容人数が限界に達しました、これより一時帰還します』

地上から見てもわかるぐらい中がぎゅうぎゅう詰めのヘリがブレイダブリクへ戻っていく。これで何度目の往復になるか数えていなかったが、ともあれここでの任務は終わったと判断し、無線を開く。

「こちらジャンゴ、中央ルートの局員は全て回収した」

『あ、同じタイミングだね、ジャンゴさん。南部ルートも全員回収できたよ』

『北部ルートはとっくに終わってるぜ。この程度じゃ肩慣らしにもならないな』

「あはは……とりあえず皆、何事も無くて
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