バーサクブレイズ
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だ?」
「お前達のおかげで彼女は魔法に頼らない、純粋な戦闘能力を身に着けつつある。いずれ我々の同志となる彼女が強くなればなるほど、イモータルになった際により強力になるのだ!」
良かれと思ってやって来た事が、実は向こうの望んだ事でもあった。そんな衝撃の事実を聞き、おてんこは目を見開く。……だが、ジャンゴは違った。
「……また、罪の無い人間を、力の弱い者を犠牲にしようというのか……!」
彼は……怒っていた。深紅のマフラーがジャンゴの怒気で揺らめき、周囲の温度が下がったような錯覚をおてんことストーカー男爵に与えた。
「そんなことを許しはしない! これ以上、カーミラやドゥラスロールのような犠牲者を出してはいけないんだッ!! なのはは僕が守ると決めた、彼女をクイーンに……イモータルなんかにさせてたまるかッ!!」
「よくぞ言った、ジャンゴ! 絶対兵士化の依頼をしたのが管理局だったとはいえ、マテリアルズやマキナ達のように、次元世界にはそれを止めようとする意思がある! なのはもアンデッドにさせなければ、彼女がクイーンになる事は無い。彼女を守り切ればヴァランシアの目論見は破綻する! そうだ、私達が望む未来は必ず存在する。サバタは彼女達がそんな未来を生み出せると信じて、命を懸けたのだ! なら私達も、それを信じるぞ!」
「なるほど、太陽の戦士と言えど人の子か。ならば我が棺桶スーツを以ってお前達を倒し、負の感情で育て上げた眠り姫を同志に迎え入れるとしよう」
ストーカーが杖を掲げると先端が光りだし、彼の身体を覆う。次の瞬間、ストーカーは一回りも大きい兵器に搭乗していた。ジェット噴射機能が付き、フロスト属性が宿る刃の部分がチェーンソーとなっている青い大型の斧を持ち、搭乗者と一体化している二足歩行兵器。自由と資本主義を広めようとしているサイボーグが乗っていそうな迫力のある機体だった。
「大回転ッ!!」
ジェット噴射による推進力で斧をぶん回し、周囲の瓦礫ごと薙ぎ払う。刹那の差でジャンゴは跳躍回避、着地と同時に背後から瞬突を放つ。魔力とエナジーで強化された刃が機体に深い刀傷を刻むが、人間と二足歩行兵器とでは体格差のほか質量があまりに違う故、ひるんだりはしなかった。
攻撃をものともせず放ってくる横振り、振り下ろし、回転切り、それらをジャンゴは全て防ぎ続ける。しかしどの攻撃も物凄いパワーで振るわれているため、防ぐたびに若干押し出されてしまう。
「どうだ! 対サイボーグ用に強化した我が棺桶スーツの性能は! 生身の身体ではいつまでも受けきれまい!」
確かに一撃一撃を受け止めるたびに、ジャンゴの腕や足、全身が悲鳴を上げていた。生身の人間ぐらい簡単に圧殺できる性能があるのだから、サイボーグでもないジャンゴが未だに耐えられている
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