バーサクブレイズ
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「早速研究をすると、ソルジャー遺伝子には興味深い特性がある事が判明した。なんとソルジャー遺伝子がダークマターに順応していたのだ。月光仔でもない彼がダークマターを宿していながら正気を取り戻せたのは、ソルジャー遺伝子が月光仔の血と似た作用を起こしていたからなのだよ」
「…………」
「しかし高町なのはは新たに月下美人へ覚醒した月村すずかの力で体内のダークマターを抑制し、時間をかけて徐々に順応していった。この違いは何が理由で生じたのか、ワタシはいくつか実験を行って調べる事にした。魔導師に暗黒物質を直接注入すればどうなるのか、既に吸血変異した者へ後天的にソルジャー遺伝子を注入すればどうなるのか、その両方を掛け合わせたらどうなるのか……とな。最初の実験はSSランク級の次元犯罪者セルゲイ・ゴルドニアスに、真ん中の実験はニダヴェリールの被検体に、最後の実験は捕獲したプロジェクトFATE試作クローンの変異体を使わせてもらった。最初の実験は別の場所でも行えたから彼でなければならない必要は無かったが、一応高ランク魔導師のアンデッド化という意味では貴重なデータとなった。しかし……最後の実験は科学史に残る程の大成功だったよ。ソルジャー遺伝子によって魔法と暗黒物質の融合が出来るようになり、実質イモータルとほぼ同格の力を発揮できるようになったのだからな」
フェイトが魔導師生命を捨てる覚悟を抱いて、なんとか相討ち同然に倒した変異体。それが量産できるようになっているかもしれない事に、ジャンゴとおてんこは背筋が寒くなる。もしそんなのが大群で攻めてきたら、誰もが間違いなく「泣けるぜ」と嘆くことだろう。
「ともあれ高町なのはが魔力を喰う暗黒物質を魔法に織り交ぜられるのは、ソルジャー遺伝子が暗黒物質に順応したのが理由である。まぁ、変異を起こした魔導師にも大なり小なり同じような事が出来たのだが、所詮はただの混ぜ物。高町なのはの暗黒魔法が一流バーテンダーの作るカクテルだとすれば、凡俗のアンデッド魔導師のソレは不法投棄の著しい汚水にも等しい。まさに反吐が出るほど醜い使い方だ。さて……ここまで言えば流石にわかるだろうが、そんな戦いの申し子たる彼女が完全な吸血変異を起こしたら……どうなると思う?」
「……!」
「魔法で全てを滅却出来るヴァンパイア……最強のイモータルが誕生する。まさに新たなクイーン・オブ・イモータルとなる“素質”があるのだよ、彼女には!」
「馬鹿な! なのはが……クイーン・オブ・イモータルになるだと!?」
「我々が彼女を“眠り姫”と呼ぶのはそのためだ……彼女はまだイモータルとして目覚めていないからな。だから我々は彼女を確保しようとこれまで画策してきたのだが……これまでの経緯を見るに、少々予定を見直す必要があるかもしれない」
「どういう事
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