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リリなのinボクらの太陽サーガ
バーサクブレイズ
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新暦67年9月19日、10時10分

砂漠地帯北部、管理局部隊集合地点。

「う〜む……」

「あの……アーネスト隊長? さっきからずっと唸っていますが、一体どうしたんです?」

「フェイト特務捜査官か。いやな、ここで合流するはずの部隊が予定時刻を過ぎてもやってこないんだ。何があったのか報告を求めても相手に全然繋がらないから状況がわからず、こうして待機時間がどんどん増えてるって訳だ」

「味方の無事を確認に向かったりはしないんですか?」

「俺もそうした方が良いと思って、ついさっき上層部に進言しておいた。じきに出撃命令が下るだろう。ところで僅かに合流できた部隊から、どうも変な噂を聞いたんだ」

「変な噂?」

「“動くダンボール箱”だとか、“ワニ顔の魔導師”だとか、ごく最近では“凄い速さで上に飛ぶ気球”という正直馬鹿馬鹿しいとしか思えない内容ばかりだな」

「なんですか、それ? 動くダンボール箱はまだわかりますが、ワニ顔の魔導師って……そんな人間、普通に考えて現実にいませんよ」

それが本当にいるのだ。約二名ほど。なお、先代ワニキャップ魔導師ユーリは最近、メタルギアRAYを改修した経験を基に“ナノハンダム”なるものを製作しているという噂があるのだが……事実かどうかは不明である。

「まぁ実際にそんなのがいたら管理局の上層部どころか、最高評議会もたまげてひっくり返るだろうさ。こんな噂を考えた奴は、ある意味漫談の才能があるかもしれないぞ?」

「いやいや、宴会の出し物じゃないんですから……」

「ハハッ、違いない!」

他愛ない噂を面白がってカラカラと笑うアーネストの姿に、つられて苦笑するフェイト。第118空士部隊の面々はこれから挑む大きな作戦に備えて肩の力を抜いたり、デバイスを手入れして準備を整えている。故にこういった何気ない会話は気を落ち着かせるために、アーネストが推奨していたりするのだ。尤も、カイは作戦に対する緊張感が無くなると思っているのだが、その辺の切り替えは言われずともアーネストは理解しているので、何も言わない事にしている。

「それにしても……昨日の件は今思い出しても腹が立ちます。隊長はどうしてあんな発言を受けて平然としていられるんですか?」

「特務捜査官も同じ気持ちですか? 自分達もあの司令官の頑固さは本当に辟易してるんですよ。想定以上の抵抗を受けた、戦力的に不利だった、部隊の被害を出さないためだった、などと弁明しても全然聞いてくれませんし……」

「挙句の果てにあんな酷い事も言ってきましたしね。いくら司令官とはいえ、本人が目の前にいたら、たまらずぶん殴っている所でした。昨日丸一日かけてアーネスト隊長が怒号を引き受けてくれましたけど……ドーラ司令官って絶対脳ミソも筋肉で出来てる
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