第四章
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「ここから近いよな」
「ノルウェーとな」
国境を接しているからだ。
「だからか」
「フィンランドが何かあった」
「あの国アジア系なんだよ」
「ヨーロッパなのにか」
「ヨーロッパでもアジア系の国があるんだよ」
吾朗はそのことをだ、慎吾に話した。
「フィンランドにハンガリーってな」
「ハンガリーもアジア系か」
「そうなんだよ、実はな」
「白人の顔をしていてもか」
「アジア系の人が移住してきて定住したんだよ」
そのフィンランドやハンガリーの場所にというのだ。
「だからロシアも結構アジア系の血が濃いって言われてるだろ」
「あそこはモンゴルだったな」
「モンゴル帝国も来たしその前はアッティラ大王も来ただろ」
「世界史の教科書であったな」
「それでサーメ人の人達もな」
「フィンランドと接していてか」
「あっ、フィンランドにいる人達が多いですよ」
ガイドはここで二人に話した。
「実際に」
「そうですか、じゃあ」
「はい、本当にサーメの人達は白人ですが」
「アジア系のフィンランドにも沢山おられるので」
「アジア系の血も多いです」
「そうなんですね、それと」
吾朗はここでさらに言った。
「この人達の服は」
「ああ、この服ですね」
「独特の服ですね」
見れば確かにそうだった、青を基調として襟や袖、裾のところが広範囲に渡って赤と白で奇麗に編み込まれたリボンが縫い付けられて飾られている、
その為全体的に色彩豊かでそれは帽子も同じだ、フェルト地で身体全てを覆っている。男の人はズボンで女の人はくるぶしまでのスカートだ。靴は白く先が尖ったブーツだ。高い襟と裾のフリルが非常に目立っている。
その服を見てだ、吾朗も慎吾も言った。無論他のツアー客達もだ。
「いいですねこの服」
「他の北欧の服とも違いますし」
「何か妖精の服みたいですね」
「北欧の」
「この服はコルトといいます」
ガイドは彼等に服の名前を話した。
「サーメの方々の服です」
「民族衣装ですね」
「はい、そうです」
それになるとだ、ガイドは答えた。
「サーメの人達の」
「そうですか、民族衣装なんですね」
「サーメの人達の」
「だからですか」
「いい服ですね」
「本当に妖精の服みたいで」
「私も好きでして」
ガイドは二人に笑顔でこうも話した。
「ここに来た時の楽しみの一つです」
「そうなんですね」
「いい服だからですね」
「この服を見られることもですね」
「楽しみなんですね」
「そうなんです、最近は民族衣装の常になっていますが」
ガイドはここで寂しい笑顔になってこうしたことも話した。
「この服を作られる人は減っています」
「サーメの人達でもですか」
「そうなんですね」
「日本と同じです
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