第24話 終局
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凝縮させた。
時空間忍術 神威
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欲しい
苦しい
難しい
羨ましい
助けて
電子音のような音にノイズのように走る、日本語。
どれもが御坂には苦しみ、もがいているように思えた。
「倒せそうか?」
空間が捻り始め、紅眼をしたサソリが一点から三次元へと拡張された。
不意に現れたサソリに御坂は仰天する。
「アンタ、眼は大丈夫?」
「ああ、よく分からんが。観えるようになった」
「赤髪君か」
木山は肩を庇いながら現れたサソリに声を掛けた。
「お、どうやら死に損なったみてえだな」
サソリが皮肉交じりに木山に言った。
「花飾りの彼女に止められてね。全く次々と目論見を打ち崩してくれる」
「お前が上手くやらんからだ」
サソリは肩で息をしながら、腕を押さえた。
そこで御坂は、サソリの腕に大怪我をしているのに気づいた。
「あ、アンタ!どうしたのその傷!?」
「コイツの流れ弾に当たっただけだ」
怪物はサソリの姿を見下ろすと震えだした。
そして叫び声を上げるように奇声を出すとサソリに向けて触手で一斉に囲むように繰り出した。
「!?」
サソリは、迫る触手の群れを前にしても笑みを浮かべて、両眼を怪物に向けた。
コイツ
サソリを狙っているんじゃない
サソリを恐れているんだわ
サソリの万華鏡写輪眼が怪物の眼を捉え、動きが止まる。
「さて、レベルアッパーが解除されたが、どうやって仕留めればいい?」
視線を怪物から離さずに木山に質問した。
怪物は、金縛りにあったかのように震えながらその場に留まっている。
伸ばした触手もそのままだ。
「核を破壊すれば止まるはず」
「核か......ちょっと待ってろ」
サソリは万華鏡写輪眼で観える世界に意識を向ける。
写輪眼により観えるチャクラの細かい流れ、その全てが集まり中心となる箇所を捉えた。
あそこにチャクラの中心があるな
サソリは焦点を核の手前の肉塊に集中させた。核は予想以上に堅固に出来ているらしく飛ばすだけでは意味がない。
神威
膨れ上がった肉が渦を形成し、一点に結われていくかのように消失すると怪物の身体から三角柱のガラス体のような物体が露出すると、サソリは踵を返し御坂に指示を出した。
「あれを撃ちぬけ」
サソリは、脱ぎ捨てた自分のボロボロになった暁の外套を手に持つと左肩に引っ掛けた。
傷口を隠すように覆った。
苦しい
妬ましい
羨ましい
憎い憎い
自分の弱さが憎い
全てが憎い
サソリの写輪眼を通じて伝わる、負の感情。
それから目を背けて、サソリは厳しい口調で怪物に言い放つ。
「知るか!」
サソリに消された肉塊の間から露出した核を狙い、御坂はコインにエネルギーを溜めて、
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