第24話 終局
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を聴いたように口を少しだけ開けてサソリを振り返る。
「!?」
初春も固まる。アンチスキルからも「おお!」と歓声が漏れた。
サソリは、息を切らしながら焦点を光球に合わせるとチャクラを込めた。
光球の周りの景色が歪みだし、一点に凝縮するように消えた。
「!!?」
不意に消えた光球に白井は、辺りをキョロキョロして探すが何処にもない。
サソリの方を見れば、紅い眼をしたサソリが荒い呼吸を繰り返していた。
「嘘ですわ......触れずに空間移動を!」
白井の空間移動能力(テレポート)は、手に触れた物を瞬間移動させる。
つまり、対象に触れていなければ能力は発動できない。
サソリは、自分の目が見えていることに驚いていた。
無我夢中で白井を守るために時空間忍術という術をこの眼から発動できた。
再び目覚めた万華鏡写輪眼で攻撃を開始している怪物を視野に収める。
オマエサエ
オマエサエイナケレバ
憎悪に似たドス黒い感情がサソリの中に流れてきた。
そういうことか
オレを最初から狙っていたということか......
望み通り目の前に行ってやろう
サソリの身体から残り少ないチャクラを溢れ出させて、立ち上がる。
「はあはあはあ」
包帯で巻かれた部分から血が滲み出す。
サソリは、写輪眼にチャクラを溜めた。
やはり、この眼は時空間忍術が使えるな
これで移動がしやすくなるな
フラフラと身体を引きずるように歩き出す。
「さ、サソリ!」
白井がサソリの腰元に抱き付いた。
「!?」
不意の突進をくらい、ビリビリとした痛みが左腕から流れ、顔を歪ませる。
「何処に行きますの?!」
必死に見開いた眼でサソリを見上げる。
「ちょっとな」
早く白井達から離れなければ......
「まさか、そんな身体であの怪物の前に行くんじゃ?」
「奴の狙いはオレだ」
サソリは白井の腕を外し、払い退けた。
「あ......」
払われヒリヒリする手を持ちながらも白井は、サソリを止めようと手を伸ばす。
このまま遠くに行ってしまいそうな程に寂し過ぎる背中。
居ても立っても居られなかった。
「で、でも」
「白井」
サソリは、振り返ると白井の腕を取り強引に白井の顔に自分の顔を近づけた。
正確には眼に近づけた。
写輪眼!
「あ......ああ」
万華鏡写輪眼の幻術に掛かり、白井はサソリの身体に凭れかかるように力を無くした。
目には涙が溜まっている。
サソリは、ゆっくりと白井をその場に座らせると
「すまんな。初春、白井を頼んだ」
「サソリさん......戻ってきますよね?」
サソリは、静かに笑みを浮かべる。
「当たり前だ」
サソリはチャクラを集中させ、時空間忍術で己を一点に
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