第24話 終局
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昏睡状態の子供たちも立派に成長していればあのくらいの歳になっていただろう。
大人は甘い汁を吸い
いつだって子供たちが凄惨な現場に押しやられていく
実験に血を流し、涙を我慢し、吐きそうになるほどの嗚咽に堪えている。
泥だらけになっても、汚れても決められた週二回のシャワーのみ。
お風呂に入れるだけで、感激の声を上げる。
大人にとってみれば、当たり前のことが子にとって幸せだった。
そして、当たり前のように実験に使いボロ雑巾のように使い棄てをする。
声にならない咽びを冷たいガラス越しに覗き、発案者の大人は優雅にコーヒーを飲んでいる。
あの子達は何の為に生きている!
大人が勝手に踏み躙っていいものじゃない!
あの子達は、子供達は......
生きなければならない
こんなのを運命と認めるわけにはいかない
「......幸せにならないといけない!」
木山は、身体に走る鈍い痛みを感じながら起き上がる。
このまま、座り傍観する方が遥かに楽だ。
しかし、それは大人の毒に侵されるということだ。
諦めること、落ち着いているがそれは力に屈して大人しくしているだけだ。
それでは、実験の時にモニターの前でデータ集めをしていた学者と同じになってしまう。
木山は力を振り絞り、暴走した怪物の後ろを足を引きずりながら追う。
自分が蒔いた種だ
大勢を巻き込んだ自分の罪は重いだろう
AIMバーストを止めなければ
命に替えても......
マッズイわね......
アンチスキルの人に教えて貰ったけど原子力施設へ向かって来ているわ
もはや、胎児だった面影はなく幾重にも重なった肉の塊が人体の脳を形成しているように見えた。
触手を伸ばし、御坂の足を捉えると引っ張り上げる。
「やばっ!」
かつて抱いた憧れは、今や強大な憎しみへと変貌し、御坂に迫る。
引っ張りながら、別の触手に太い剣先を造り上げて御坂を貫こうと狙いを定めていく
「うっ!?」
御坂は咄嗟に電撃を出して焼き切っていくが放った後で学習した相手の挙動が過る。
攻撃を加えれば加える程に容積は大きくなり、怪物の凶悪さ、能力がエスカレーター式に上昇していく。
ミスッた!
すぐ復元するんじゃ意味ないじゃないっ......
しかし、怪物の焼き切られた触手は再生せずに生々しいドロッとした中身を露出させている。
「!!?」
木山は、再生しない怪物の身体を眺め、案が正しい解であったと悟る。
レベルアッパーのアンインストールに成功した!
あとは、力を削ぎ落とし倒すことが出来る
???
怪物は、切られた触手が再生しないのが理解できないように首とも思えない部分を伸縮させる。
だが、それ以上に動きが固まり、怪物はギョロッと張り出した眼で、
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