第一部
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じゅう
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予定もない。
しかし、先ほどの通り、それが“私の不利益にならない”、もっと具体的に言えば“命の危険”が伴わないのであれば、である。
とはいえ、そう馬鹿丁寧に全てを語る必要もない。ある程度の幅を持たせて、干渉自体を極力減らすのが狙いであり、私の目的が彼女には不明ないま、下手に動くような真似もしないだろう。
「それで? どうやら私を探していたみたいだが、何か用件でも?」
コンピューターガントレットや光学迷彩機能を、信じているかどうかは別として、現状では魔道具として認識させているのだ。それの入手経路などを聞かれても正直面倒だし、根掘り葉掘り聞かれても、これもまた面倒以外の何物でもなく、答えるつもりもない。
故に、私は自ら話題を切り出す。
「あ、その、ですね。失礼を承知でお伺いさせていただきますが、その……貴方は人族、ではありませんよね?」
質問の意図が掴めず、私は首を傾げるも「違う」と答える。
どう贔屓目に見ても人間でないことは一目瞭然。だからこそ、「なぜそんなことを聞くのか」と同時に「それが何を意味しているのか」という疑問が生まれた。
「その、すみません。亜人族(デミ・ヒューマン)の多くは、基本的に人族に敵対的な種族がほとんどでして、独自の言語体型は持っていますが、総じて未熟であり、我々人族と意思の疎通を行うのは不可能とされているんです」
なるほど。
つまりは先日の小鬼や、そこに転がっているとんこつ丸……もとい、豚面鬼などはその枠組みに納められるという訳だ。
「……1週間前、この森にある洞窟で大きな小鬼の巣を掃討しました」
間違いなく、あそこだろう。私は黙ることで彼女に続きを促す。
「ことの発端は、この辺りでの行方不明者、特に女性が消息を絶つようなことが相次ぎました。……その後の調査により、この森の浅い場所で小鬼や大きな小鬼の目撃情報が日を追う毎に増加していることも分かりました」
ということは、あの巣は比較的新しい巣であったということか。
それはまた、彼女達にとって災難ではあるが、運もよかったのだろう。あのまま放っておけば、いずれはもっと数が増え、それに比例して被害も大きくなっていくのは予想できる。
「先に放った斥候の情報によれば、小鬼の数は20〜30ほど、大きな小鬼に至ってはまだ巣も若く、小鬼の数的に見ても二桁に達する程度と考えられました」
ふむ。確かにその程度の規模であったと記憶している。
「私たちが奴等の巣に到着したさい、既に数匹の小鬼と大(ホ
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