第一部
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きゅう
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うな効果、効力を持っているのにいままでのデータに当てはまらないため、無駄に情報だけが増えていく。
そこを抽出し、こちらの操作で無理矢理当て嵌める方法を取っているのだが、まだ無駄が多い。
……これは再度の精査が必要だな。
取り合えずいまは目の前に集中だ。
彼女は更にスピードを上げ、猿も真っ青になるほどに木々を蹴って5メートルほど飛び上がる。
その落下の勢いを利用して、縦に一閃。
不意を突かれた形の1匹の豚面鬼はなす術なく、そのでっぷりとした体に一直線の剣線を刻まれた。
左右に倒れる肉塊に一瞥も向けず、女騎士は次の標的へと狙いを定める。
最初の1匹が他の2匹よりも後方にいたのが、奴等にとっての不運だ。
いまだ同胞が既に死したことなど気付く様子もなく、標的にされた1匹は背後から飛び上がった女騎士の横一閃に振るわれた刃の軌道がその首に走る。
女騎士は首が落ちるそれすらも確認せず、着地をした途端、隣を歩く最後の1匹、その背後へと肉薄する。
そのまま突きを一撃。
背後から斜め上へと突き上げられた剣先は心臓へと達し、肋骨を上手く避けて豚面鬼の左胸から突き出していた。
そこで、隣の豚面鬼の首が落下し、盛大に赤色の噴水が花を咲かせ、泣き別れた頭を探しながら膝をついて前のめりに倒れ込む。
あまりの手際の良さと、想像以上の能力の高さに、私は構造上行うことのできない口笛を心の中で鳴らす。
自身が剣を振るった結果、体を真っ赤に染め上げたとんこつ丸3匹を意に返すことなく、女騎士は血糊を剣を振るうと口を開く。
「在宅中ですネ! 隠れていないで存在スルッ!」
……このポンコツ翻訳機が。
さっきの体にエネルギーフィールドを纏う前に呟かれた言葉もそうだ。
私のヘルメットから翻訳された言葉は「マッスル躍動」。意味は分かるが、もう少しあるだろう。何かあるだろう。
正直、無数にある言語情報から、この星の言語に似ているものを当てはめただけなのにも関わらず、言葉は滅茶苦茶ながらも意味は通じるように翻訳するヘルメットの機能には助けられている。
なので、先ほど女騎士が大声を上げた一言も、「いるんだろう! 隠れてないで姿を現せ!」とか、そんなところであろう。
うん、もう思いっきりバレてる。
「居留守をするようなラ、入室しますカラ!」
遂に不法侵入まで慣行しようとしている始末です。
家宅捜査をされる心境とは、こういうものなのだろうか。
いや、そもそもここ外だし。
確かに野蛮なことも多々している残念種族だということは認めるが、ちゃんと屋内に住んでますから。
船だけど。
さて、冗談は
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