第一部
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きゅう
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らば、恐らく私の存在であるだろうが、さて、何か痕跡のような物でも残してきてしまっただろうか。
それに、彼女単独でこの森に足を踏み込んでここまで無傷で来ていることを考えるに、中々に戦闘能力が高いと見受けられる。
間違いなく、先日の小鬼、大きな小鬼、小鬼の王様よりかは腕が立つのは振舞いからも分かる。
奴等は単体での戦闘力というよりも、その数と繁殖力の高さが驚異なのだろう。
だが、私が見下ろす女騎士にいたっては、それすらも驚異になり得ないだろう、というのが素直な感想だ。
そして、それは現実として体現された。
森を別け入り進んでいく女騎士。
その匂いに釣られてきたのかは知らないが、彼女の進行方向にはブヒブヒと鼻を鳴らしている豚面鬼が3匹認められた。
このままお互いの最短で距離を縮めれば、接触するのは数分といったところか。
すると、先に気付いたのは女騎士であった。
彼女は一度立ち止まると、豚面鬼が居る方向を凝視する。
見えているとは思わないが、空気の淀みでも感じたか、それとも豚面鬼の悪臭に気付いたのか判別はつかない。
それでも彼女は右手に持った剣を握りしめると、体勢を低くして駆け出した。
まず私が驚いたのは、そのスピードだ。
この見通しの悪く、足場もよくない森の中を、まるで舗装されている道と勘違いしてしまう程に淀みなく駈けていく。
更に彼女は豚面鬼達の背後に回るよう、若干大回りになって駈けて行く様は、本当に豚面鬼の位置を全て把握しているのではないかと錯覚する。
そんな彼女の行動に、私は驚きに目を見開きながら後を着いていく。
躓くこともなく、豚面鬼達の背後にまで回り込んだ彼女は何事かを呟き、それをヘルメットが音声として捉えた瞬間、私は絶句する。
と、一瞬木から落ちそうになった私を無視し、ヘルメットの視覚機能が彼女の体に薄い、何か靄のようなものが纏割り付くの認識する。
それをヘルメットと左腕にあるコンピューターガントレット内にあるレコーダーから情報を引っ張り出して彼女の体に何が起こっているのかを解析していく。
《微弱なエネルギーフィールドを検知》
ヘルメットに表示された文字を見るに、彼女は何らかの方法を用いて、その肉体を強化する術を持っているらしい。
私の予測が正しければ、魔法の類に属するものだろう。
伊達に数々の星を渡り歩いていない。
しかし、この魔法やらの類、一貫性がまるでないのだ。
国が違えば話す言葉も違うくらいだ。星が違うのだからその現出する方法も、法則も違ってくるのは当たり前なのだが、同じよ
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