四十二話:情報整理
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げるはやて。その肩に乗っているツヴァイは落ちそうになって慌てながらも初めて会うことになる初代を思い浮かべて少し嬉しそうな顔をしている。
「主として連れ戻して叱ってやらんといけんなぁ。その時はみんなも何か言うこと考えとってね」
「わ、我々もですか」
「勿論や。あ、ザフィーラにも伝えとってな。もう意識は戻っとるんやろ?」
「はい。きっと……リインフォースが手を抜いてくれたんだと思います」
「そっか……なら納得やな」
特に言うことが思いつかないのか焦るシグナム。この場に居ないザフィーラも恐らく何を言うべきか頭を悩ませることになるだろう。その様子を楽しそうに眺めながらはやてはこれで話は全部終わったといった風に席から立ち上がる。なのはとフェイトは慌ててそれを呼び止める。まだ肝心の人物について何も話していないのだ。
「はやてちゃん! その……切嗣さんのことは?」
「……直接会って聞くから今ここでは深くは考えんでもええよ」
特に抑揚が付いていない声は逆に拒絶するような意志を感じさせた。その声になのはとフェイトだけでなく騎士達も身動きを止めてしまう。しかし、なのははどうしても伝えなければならないことがあるので勇気を振り絞り、口を開く。
「でも……」
「ええんや、私は―――」
「奥さんがいるって言っていたらしくて……」
ごつんと鈍い音が響く。全員の視線が机に頭を打ち付けたはやてに向く。因みにツヴァイは何とかギリギリで浮くことで潰れることの回避に成功していた。しばらく突っ伏したまま動かなかったはやてであるがしばらくすると息を吹き返し顔を上げる。
「……なんや? つまりこういうことかいな。おとんは娘と家族をほったらかして女にうつつを抜かしていたと?」
「そ、その言い方はどうかと思うよ?」
「分かっとる、分かっとるけど……どういうことや」
動揺が大きすぎたのか頭を抱えて再び突っ伏すはやて。それも仕方がないことだろう。生き別れの父親を捜していたら、父親が再婚していましたと言われる。まず間違いなく祝福の気持ちよりも衝撃の方が強いだろう。
「そもそも、あんな私生活ダメダメなおとんの嫁になるとかどんな人や」
「そこまでは分からないけど……」
「あの……はやてちゃん。私に心当たりがあるんですけど……言っても大丈夫ですか?」
微かに声を震わせながらも気丈に振る舞おうとするはやて。そんな主に対しておずおずと手を上げるシャマル。これから言うことは間違いなく場をさらに混乱に導くことになるだろうが言わないわけにもいかない。
「ええよ……心の準備はできた」
「確証はないんですけど―――リインフォースだと思います」
ごつんと鈍い音とこつんと可愛らしい音が響く。はやてとツヴァイが仲良く頭を打っていた。
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