四十二話:情報整理
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しその瞳は真剣そのもので彼女がどれだけ今回の件について本気なのかを感じさせた。それが分かっているためかこの場に居る人間は誰一人として笑わずにはやてを見つめていた。
「それで、フォワード陣の方はどうなっとる? なのはちゃん」
「肉体的に言えばすぐにでも出動はできるよ。でも……スバルが連れ去られたのが精神的にきているのは間違いないかな」
「まあ、今までずっと一緒やったもんなぁ……辛いもんがあるわなぁ」
フォワード陣は入隊してから一日たりとも離れることなく絆を強めてきた。家族同然のような仲で突然別れ離れになってしまった心情を思いやり、顔をしかめるはやて。これも自分が相手の策を読み切れずに敗北を喫してしまったのが原因である。悔しさを押し隠すようにギュッと目を瞑る。そして再び目が開かれた時には冷静な瞳だけが映っていた。
「でも大丈夫だよ。あの子達はもう弱くない。必ず自分の力で立ち上がってくれるから」
「そっか……なら、安心やな。それで次はヴィータやけど、ヴィータが戦った魔導士っていうのはゼストって名乗っとったんやね?」
「ああ、かなり手強い騎士だった。あのまま戦ってたらどっちが勝ってたか分からねえ」
あの時、ヴィータとツヴァイはゼストとアギトのコンビと戦っていた。もしもゼストがヴィータを殺す気で来ていたのなら今ここにはヴィータは居なかったかもしれない。しかし、あくまでもレジアスが目的だったために本気は出さず、シグナムの援護を察知すると共に消えていった。
「調べてみたけど、ある事件で殉職した元ストライカー級の魔導士と顔が瓜二つなんよ」
「ああ、こいつで間違いねえよ」
はやてから提示された顔写真に映る、ゼスト・グランガイツを見て頷くヴィータ。彼はギンガとスバルの母親であるクイント・ナカジマの上司であり、戦友であった。戦闘機人絡みの事件を捜査している時に謎の殉職を遂げたはずであった。だが、現実として彼は生きて動いている。それがどれだけ不可思議なことかは今更語る必要もないだろう。間違いなく彼は今回の事件において鍵を握る人物であるのは間違いがない。
「こっちも色々捜査する必要がありそうやな。それから……次は六課の襲撃に来た敵のことなんやけど」
ここまで言うのをずっと我慢していたかのように想いの籠った言葉を吐き出すはやて。シャマルが重症を負っているためにここに来ることのできないザフィーラの代わりにはやてに伝える。自分達の主があの時以来心のしこりとして残してきた彼女の名を。
「間違いなく、リインフォースでした。生き残った理由も筋が通ってましたし」
「……『また、会いましょう』か。あの時の言葉はそういうことやったんやな」
生きていたことに喜ぶ気持ちと共に敵対しなければならないという事実に思わず天井を見上
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