SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第17話?木ノ芽風と花風
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ぼやいてたし」
「ふ〜ん」と適当に相槌をうちながらメニューに視線を傾ける。メニューには料理の画像はなかったが、名前からして美味しそうだ。しかも、洋食和食限らず色々な料理があることには驚きだ。特にこの肉汁たっぷりジューシーハンバーグとかヤバそう。
?よだれが垂れそうになる口許を引き締めて隣を見ると、ソラは必死に頭を抱えて悩んでいて、アスナもソラほどではないにせよ真剣な顔持ちで考え込んでいる。……ご飯のときでもそんなに必死になるなら、休めるわけがないじゃん。息抜き下手そうだな〜。
?一番奥に座っているカグヤはもう決めたのか、メニューを閉じていた。ちょうど僕と目が合う。
「いい人そうだね、ラドフォードさんって」
「そうだね。何か、エギルみたいだって思ったよ」
「あはは、ちょっとわかるかも」
?少し前に顔を見かけた厳つい褐色の巨漢が頭のなかで思い起こされていると、カイの声が聞こえた。
「おーい、お前ら決めたか?」
「僕は決めたよ」
「おれも!」
「わたしも、決めたわ」
「私も〜」
「うっし、なら頼むぜ。お〜い!?ラドさーん!」
?離れた場所のお客さんと話していたラドさんがこっちを見て小さく手を挙げたあと、僕たちのもとへ小走りでやって来る。
「決めたのか?」
「はい。俺から言っていくんで」
?カイから右に自分の選んだ料理を言っていく。ラドさんは、僕たちの言葉に合わせて何もない場所でタイピングした――自分以外の人間には不可視のウインドウだ――あと、注文を繰り返す。僕たちが同意すると、ラドさんは腰に巻いているエプロンの紐をきゅっと結び直した。
「ちょっと待っててくれよ。すぐにつくるからな」
「早くしてくださいよ〜」
「わかったって。ったく、カイはせっかちだな〜」
?なんて笑いながら、赤髪の青年は厨房へ入っていった。同時にアスナがカイに訊ねる。
「ねぇ、カイ。ラドフォードさんは、料理の材料はどうしてるのかしら」
「何か、料理人だけのラインがあるらしいぜ。あと、ラドさんは普通に武器持って戦闘もするから、自分で調達もすんじゃね?」
「へぇ〜」と思わず声を出してしまう。ますますエギルみたいだ。まあ、エギルは料理人じゃなくて商人なんだけど。
「てことは、ラドさんも私たちと同じぐらい強いのかな?」
?今度聞いているのはカグヤだ。隣で「おなかすいた〜」とグズっているソラの頭を優しく撫でている。
「いや、ラドさんが言うには、そんなにレベルは高くないらしい。多分中層プレイヤーの中の上ぐらいじゃねーかな。たまに俺や知り合いに素材取ってきてって頼んでるしな」
「お前が人からの頼み聞くのか……」
「お前ぇは俺を何だと思ってんだよユウ!?まあ、めんどくさがりなのは否定できねーけど……」
?カグヤとアスナが小さく笑う。
「カイはどれぐらい
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