暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第17話?木ノ芽風と花風
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?ギャラリーだったプレイヤーから群がるように囲まれていた状態から解放されるまで、十分ほどかかった。
?自分に押し寄せてくる人の数に圧倒され、もみくちゃにされる僕をカイは、隠すことなく爆笑して見続けていた。肩で息をする僕と別の理由で、肩で息をしているカイの姿がそこにあった。涙が出るほど笑ったのか、目元を腕で乱暴に拭っている。そんなこいつに僕から言えることは、バカ、アホなどやけくそ混じりの言葉しかない。
「な、何で助けてくれなかったのさ……」
?デュエルのときよりも重い疲労感を体全身で感じながら、僕はカイに訊ねる。目の前にいる槍使いは深く深呼吸をしたあと、僕以外の人からは爽やかに見える笑顔を作った。
「いや、せっかくのヒーローインタビューを邪魔しちゃ悪いと思ってな。どうだった、感想は」
「嬉しくなくはないけど、とにかく疲れたよ……。僕が人から注目されるの苦手だって知ってるでしょ?」
「おう、だから敢えて助けなかった。色んなやつからやられ放題にされてるお前は、マジ最高だったぜ!」
「この鬼畜?」
?閃光の方を見ると、鞘に細剣を戻しているところだった。その表情は僕に負けた悔しさからか、それとも休むことになのかわからないが、険しい。
?そんな彼女のもとに、カグヤが歩み寄った。
「無茶しすぎだよ、アスナ。私、前から言ってたでしょ??休もうよって」
「まだ大丈夫だもん……」
「だもんって……そんなわけないでしょ??さっきのデュエルもソードスキルのブーストミスなんて、普段のアスナならしないはずだよ??これに懲りたらちゃんと休んで、ね?」
「うっ……わ、わかったわよ」
?嫌々言うことを聞く子どものような顔をしながらうなずく閃光に、カグヤが満足そうに笑う。そんな二人のもとへ何かよくわからないが一段落した僕とカイも集合する。
「えっとさ、二人のやり取りをそばで聞いてて思ったんだけど、二人って友達なの?」
「うん。仲良くなったのは、結構前だよ??多分五層ぐらいからじゃないかな」
「そうね。お互い数少ない攻略組の女性プレイヤーということもあって、すぐに仲良くなったわ」
「そ、そうなんだ……なら、わざわざデュエルしなくてもカグヤが説得してくれればよかったんじゃないの?」
「何言ってんだよ、ユウ。この頑固な閃光様が自分の意見曲げるわけねーだろ……うおっ!?こえぇ!?」
?余計なことを口走ったカイを閃光がすごい形相で睨む。こんな視線されたら、きっとボスモンスターもたじたじだよぅ……。
「あはは、カイの言う通りだよ。アスナ、私が何回言っても聞かないから、やっぱりデュエルすることになってたよ」
「ちょっと、カグヤまで!」
「実際、私は前から言ってたし〜。頑なに首を横に振ったのは、どこのどなたでしょうかね〜?」
「うう……反論できない……」

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