暁 〜小説投稿サイト〜
sao〜忍びの如く疾風〜
幕間
ハンスンの遺した物

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俺は涙を流していた――。
そう、俺はハンスンがもうこの世にいないことに、
気づいたのだ。
ハンスンの脳は、現実世界にいる焦った誰かによって
外されたナーヴギアによって、焼かれてしまったのだ。
茅場も言っていた、『外部の人間の手による、ナーブギアの停止あるいは解除もあり得ない。もし、それが試みられた場合、ナーブギアの緊急素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』と、この言葉を俺は理解した。
だが認めたくは無かった、自分の中で諦めている感情と、それが分かっていながら、変な希望を持つ感情が、混ざっているのが分かる。だがそんな変な希望を、
すぐにシステムは打ち砕いた。
フレンドの画面を見てみると、ハンスン――その文字は
ログインしていない、この状況下では、死を意味していた。『ァ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』俺はその場で更に泣き、そして呻いた。そのまま泣きわめきついには、ナーヴギアを
外した誰かを憎悪が湧いてきた。
その誰かが悪いわけでは無いはずなのに、
頭では分かっていても、憎しみはとまらない。
だがそんな時気づいた、フレンド共通ストレージに、
確かに何かが入っていたのだ。
それを取り出してみるとなかには、
一つの牙、そして羊皮紙が入っていた。
羊皮紙には
――――――今日は色々教えてくれてありがとうな。
俺はあんまりその、MMOが得意じゃないんだ。
だけど今日レクチャーしてもらって、ほんとに
楽しかったんだ。
俺は実はSAOは勝手に弟のやつをやってただけなんだ。だから俺はSAOを出来ない。だけどフウリなら絶対トッププレイヤーになれる。だから、そのなんて言うか、
とにかくがんばれよ。お前なら百層まで行ける。そういう事だ。一緒にフレンジーボアを倒した時の、ドロップ品がある。これでたまには今日のことを、思い出してくれよ。――――――と、綴られていた。
その手紙を読んだ俺は、
静かに涙を流し続けていた....。そして俺は決意した。
このゲームを、このハンスンの、遺してくれたものと
共に一層ずつ、必ずクリアしてやると。





そんな時始まりの街の人目につかない一角にて、
一人のプレイヤーが、現れた――。
そのプレイヤーネームは『Heathcliff』
最強のプレイヤーでもあり、ラスボスでもあるそのプレイヤーが、SAOに現れたことを誰も気づいてはいなかった...。
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