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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
閑話T 巧の中学生活
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り、いつの間にか好きになっていた。

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巧は夕呼と仲良くなりたい一心でそれまで手を抜きがちだった中学校での生活を改め、なるべく夕呼と話すように努めた。偶然を装って登校時間を合せたり、一緒に勉強しないかと誘ったり、中学生らしい可愛い努力だったが巧は本気だった。その中で夕呼と中の良いまりもとも仲良くなり、三人は友人と呼べる関係になった。そして学年が三年に上がったとき、巧は決断した。
「神宮司、俺夕呼に告白しようと思う。」
まりもにそう切り出す巧。夕呼は自分に向けられる感情に対して無頓着だったため気づかなかったが、まりもはかなり早くから巧の気持ちに気づいていた。まりもは超然としている夕呼と違って、あくまで普通の女の子だった。成績は優秀で、夕呼と巧には劣るものの学年で三番目の成績。人がらは明るく朗らかで、誰からも好かれる包容力のある女子だった。何故か恋愛運はなかったが。
「そう、とうとう行くのね遠田君。私応援するわ。」
まりもにとっても遠田の恋は実って欲しいと思っていた。まりもは夕呼の親友だが、夕呼に浮ついた話は一切聞いたことがなかった。実は夕呼もその美貌からアタックする男子は結構いたのだが、告白した男子は尽く振られ一週間は学校に来れないほどの精神的ダメージを負っていた。しかし巧なら上手く行くかもしれないとまりもは考えていた。巧は夕呼の唯一と言っていい男友達で、頭も良い。夕呼の『因果律量子論』というトンデモ理論の話も理解できるようだし、夕呼のパートナーとしては申し分ない。巧は卒業後に軍に志願するということだが、今の時代では良くあることだ。
「ありがとう。で、だ。告白にあたって何かアドバイスはないか?俺告白の経験とかないし、まりもなら夕呼と付き合い長いから性格とか良く分ってるだろ?」
「そうねぇ…回りくどく言ったり、ウジウジしない方が良いわね。遠田君は普段から夕呼と良く話すんだから変に緊張しないで、真っ正面から言った方がいいわ。『好きだ、付き合ってくれ』ってはっきり伝えるのよ。」
「なるほど…。」

そしてその告白は実行された。
「好きだ。付き合ってくれ。」
「嫌だ。」

巧の恋は一秒で粉砕された。
「え、ちょ…何その返事の早さ。もう少し悩んだり、言葉飾ったりしないの?」
「どういう反応期待してるのか知らないけど、私が悩んだり言葉飾ったりしないのは知っているでしょ。」
「いやそうだけど…。」
「巧は確かに顔は悪くないし、体もセクシーと言っていいわ。性格は温厚で礼儀正しい。頭は良いし、私の話にまがりなりにもついてこれる。おまけに遠田技研の御曹司で、将来有望。悪いところが見当たらないわね。」
「じゃ、じゃあっ――」
「でもねぇ…地味なのよあ
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