暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第43話「また会う日まで」
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
うだn....っ!?」

  そっと、彼女は僕に近寄り、頬に柔らかい感触を与えた。

「..ぇ....?」

「貴方の...いえ、あなた達の想い...私は忘れません。」

  ...僕が何をされたか思考停止して分からないのを余所に、ほんのりと顔を赤くしたユーリはそう言ってディアーチェ達の下に歩いて行った。
  周りも驚いて固まっている。...エイミィさんはなんか興奮してるけど。

「....はっ!じゃ、じゃあ、行きますよ!」

  なんとか我に返ったアミティエさんが時間を移動するための装置(?)を使う。
  その瞬間、僕らの意識は一瞬暗転した。











「.....あれ....?」

  失っていた意識が戻る。視界に広がるのは、いつもの居間。

「え...?あれ?さっきまで、一体...?」

  今の今までしてきた事が上手く思い出せない。
  周りを見ても、いるのは椿と葵と......

   ―――手に握られた、見覚えのあるカチューシャと服だけ。

「....!緋..雪....!」

  思い出した。思い出してしまった。
  今、ここには緋雪はいない。...僕が殺してしまったから。

「(細かくは思い出せない...けど、緋雪の...シュネーに関する事は...!)」

  いっそのこと、全部忘れてた方が良かった。...そう思う自分もいる。
  だけど、記憶を封印する事に同意している自分の記憶もあり、なによりも彼女を殺した事を忘れているなんて嫌だった。

「シュネー...!緋雪...!...うぅ...うぁああああああああああ!!!!!!」

  一気に悲しみが膨れ上がり、僕は涙を流しながら叫んだ。
  ...きっと、さっきまでも随分と悲しみを堪えていたのだろう。
  それほどまでに、僕は悲しさに心が壊れそうだった。

「っ......。」

「優ちゃん....。」

  後ろで椿と葵が心配そうに僕を見てくる。
  ...二人共ごめん。...今は、泣かせてくれ....!

「(...事件の内容は、思い出せない。...だけど、僕がムートとして、緋雪がシュネーとして目覚め、そして殺し合ったのは覚えている。....最終的に、生かす事もできず、殺すしか...なかった事も...!)」

  全てを思い出せない僕自身に腹が立つ。
  ...でも、それ以上に無力感と悲しさに打ちひしがれた。

「(.....司さんの言っていた“嫌な予感”は、これの事だったんだ...!僕と、緋雪が殺し合って...緋雪がいなくなるっていう...!)」

  後悔先に立たずとは、まさにこれの事だ。今更悔やんでも、何もかも遅い。
  ...でも、それでも
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ