任せて!!
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」
そこまで言って、あることを思い出した。半年くらい前だと、丁度俺たちが天狼島から帰還する直前くらいか?もしかしたら、彼女たちは救いを求めたかったのだけれども、俺たちが不在だったからそれが出来なかったのかもしれない。
「私たちはできる限り自分たちの力でなんとかしたいと考えていました。皆さんに助けを求めるのは、違うと思ったもので・・・」
エクシードたちは、エドラスではエクスタリアという国を自分たちの力で作り上げてきた種族だ。当然、その時のように村を作りたい気持ちもあるのだろうし、何よりこちらの世界に逃がした子供たちが見つかった時、自分たちの力だけでここまでやれたと誇れるものを作りたかったのかもしれない。その気持ちはよくわかるから、誰も何も言うことが出来なかった。
「引っ越そうとかは、考えなかったんですか?」
ウェンディがそう質問をすると、シャゴットは下唇を噛んだ後、ゆっくりと口を開く。
「ここに住みたいという、私のエゴです。彼らが来たときに、すぐにここを離れていれば・・・」
悔しそうにそういうシャゴット。だけど、それは彼女のせいではない。ほんの少し飛んでいけば、娘へと会える距離。さらには人里からもある程度離れていて、これ以上の条件はないであろう場所。そんなところから別のところへ行くなんて、誰だって考えることはできない。
「シャゴット様のせいじゃありません!!親だったら誰だって、子供のことを見守りたいと思って当然です!!」
ナディも同様のことを考えていたようで、フォローを入れる。それに、彼女だけじゃない。ハッピーの両親だってこの村にはいるんだ。さらには他の子供を逃がしたエクシードからすれば、自分たちの子供にもいつか会えると思える環境が作れ、それだけでモチベーションは高まっていく。それは村起こしという大変な作業をする彼らの力になるのは言うまでもないだろうし。
「捕まったエクシードたちはどうなってるの?」
シェリアが気になったことを質問してみる。言われてみると、エクシードたちをなぜ誘拐するのか、あまり予測ができない。
「みんな、奴隷として扱われていると聞いています」
「「「「奴隷?」」」」
すると、頭の中に全く想像していなかった単語が現れ、思わずオウム返ししてしまう。
「ぼきゅたちは翼が使える。だから、物資を運んだりするのに役立つと考えているみたいなんだ」
それを聞いて思わず納得する。彼らは人間ではまずできない空を飛ぶことができる。実際俺やウェンディ、ナツさんは彼らの使うその魔法によく助けられている。エクシードたちを捕まえた闇ギルドの人間は、自分たちだけでは運びにくい道具や食料などを、体の小さな彼らに持たせ、空を飛んで運ばせるといった行動をしているらしい。
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