百二 巫女の予言
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の上、ギタイが【土回廊】の出口までも閉鎖してしまった為、炎は密閉状態の回廊内部を一気に駆け巡る。
【土回廊】に閉じ込められた白と君麻呂に、爆発的な炎が猛然と押し寄せていった。
「今の連携術で、ウチらのチャクラ使い過ぎちゃったみたい〜」
「でもこの術にかかれば、奴ら骨も残らんでありんす」
嘆くシズクに対してギタイが残忍な笑みを返す。熱気を醸し出す【土回廊】を前に、嘲笑していた三人は、次の瞬間その笑みを凍りつかせた。
巨大な氷の柱と数多の白い骨。
【土回廊】の壁を突き破って現れたその白きモノを、セツナ達は唖然と見上げた。
内部に籠っていた炎は氷柱によって治まり、土の壁は数多の鋭利な骨で破壊されている。
熱風と土煙が猛烈に回廊から噴き出され、セツナ達は咄嗟に後ろへ後退した。瞬間、寸前まで三人が立っていた場所を何か白いモノが凄まじい勢いで通り過ぎてゆく。
指節骨の飛礫。如何なる硬質な物質も貫く威力に回転をも加わった、いわば凶悪な弾丸が持ち主の指へ戻っていく。
【十指穿弾】を放った君麻呂は立ち込める煙の中で、指を元に戻した。その背後で音を立てて崩れゆく土の回廊。
巨大な氷の柱上に乗っていた白がふわりと地面へ降り立つ。
「……なんて奴らだ…」
「兄さん、もうチャクラが…」
ギタイの呼び掛けに頷きを返したセツナが地を蹴る。共に跳躍したシズク・ギタイを振り返り、彼は苛立たしげに指示を飛ばした。
「ギタイ、クスナ兄ぃを捜せ!」
セツナに従い、ギタイが口許の覆面を僅かにずらした。鼻をうごめかして、目的の人物の匂いを辿るギタイの後ろをセツナとシズクが追い駆ける。
リーダーたるクスナの居場所へ走り去る三人を、白と君麻呂は即座に追って行った。
白く泡立つ滝壺。頭上へ降り注ぐ白滝。
断崖絶壁から落ちゆく巨大な滝の轟音が、足穂の荒い息を掻き消してゆく。
滝壺の上に渡された細い通路。其処へ向かって駆けていた足穂は、肩で息をしながら背後を振り返った。その背中には彼の主人たる紫苑の姿がある。
寝所の隠し扉を通って滝まで辿り着いた足穂は周囲を見渡した。敵の影が見えない事を確認し、紫苑を背負い直す。警戒しつつ、正面の流れ落ちる滝目掛けて足穂は足を速めた。
その足穂の背後から迫り来る影が、紫苑の背へ向かってクナイを振り上げる。
紫苑の首筋目掛けて振り落とされる鋭利な刃物。その先端が彼女の柔い肌に触れる直前、クスナは大きく眼を見開いた。
「……来ると思っていたよ…」
クナイを持つ手首がしっかと押さえされている。小さな細い手はその外見に反して、クスナの腕を力強く握り締めていた。
「分身か…ッ」
「ご名答」
足穂と紫
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ