第14話 今自分がすべきこと
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だから必ず帰ってきて)
マリアナ姉さん……
(お前は俺にとって血は繋がっていないが大切な息子なんだ、もしお前に何かあったら俺はきっと立ち直れなくなっちまう。だから自分から死ぬような選択はしないでほしいんだ。俺の心を守るために)
団長……お父さん……
(リィン……わたし、信じて待っているから……)
フィー……
「僕は、なんてことをしようとしていたんだ……」
お爺さんに言われて思い出した、お父さんは僕に命を軽んじるようなことをするなって言っていたことを……自分から命を捨てるなんてしちゃいけないんだ、猟兵であるから命を粗末になどできない。そんな事すら忘れてしまっていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
「いるんじゃろ、お前さんにも帰りを待つ人が。ならそんなことはするな」
「はい……はいッ!」
泣くじゃくる僕をお爺さんは優しく撫でてくれた、まるでお義父さんに頭を撫でられているような安心感が心に広がっていった。
しばらくしてようやく落ち着いてきた僕を見てお爺さんが話し出した。
「落ち着いたか?」
「はい……その、ごめんなさい」
「何をじゃ?」
「さっきお爺さんに酷い事を言ってしまって……」
「何、気にするな。約束を守れなかったんじゃ。責められるのは当然の事、だからいいんじゃよ」
すごいなぁ、あんな酷い事を言ったのに笑って許してくれるなんて……
「それでお前さんはこれからどうするつもりなんじゃ?」
「……皆の元に帰ります、さんざん心配をかけちゃったから。そしたらレンを探しにいきます。まだ死体をこの目で見た訳じゃない、だから最後まで希望は捨てません」
「ほほう、先程とは打って変わった力強い目になったのう、だがその怪我では満足に動くこともできまい、なら今は回復に専念するべきじゃ」
「分かりました、確かにその通りですね」
本当は直にでも帰りたいがこの人が言うようにこの体ではまともに動けない。皆に確実に会う為にも今は休むべきだと思った、というかこのお爺さんのいうことは素直に効くべきだと思うんだ。何でだろう?
「ならその間のお前さんの世話はワシがしよう、なあに遠慮することはない、困った時はお互い様じゃ」
「本当に何から何まですいません…あ、そういえばまだ自己紹介をしていませんでした、僕はリィンといいます、貴方は?」
「ワシはユン・カーファイ。しがない旅の剣客じゃ」
「ユンさんですね、分かり……ユン・カーファイッ!!?」
ま、まさか……!この人があの『剣仙』ユン・カーファイなのか!?
「貴方があの剣仙なんですか!」
「なんじゃ、その名を知っておったのか」
「はい
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