第14話 今自分がすべきこと
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なかったから……」
お爺さんの話ではレンは何者かに連れ去られたかもしれないとの事らしい。だがもし連れ去ったのが教団の奴らならレンはもう……
そんな最悪な事しか頭に浮かばず更に自分を嫌悪した。
「この力のせいだ、これのせいで……」
過去にエレナを助けようとしたとき自分は信じられない力を発揮して危機を乗り切った。そして教団の奴らからフィーを守ろうとしたときも発揮したあの力……今回もおそらくあれが出たんだろう。
自分の中にあるこの力、これに助けられたのは事実だ。だが結局助かるのは自分だけ。エレナは死なせてしまいフィーは悲しませてしまった、そしてレンを救えなかった。
「こんな力……こんなもの……」
自分しか救えない力なんて求めていない、だが結局は自分しか救えない。どうしてこんな物が自分の中にあるのか、そんないら立ちが込みあがってくる。
「ははッ、本当に惨めだ。助けてもらった人に八つ当たりして……最低じゃないか」
挙句には命の恩人に対して暴言まで吐く始末だ、情けなくて涙もでないよ。
「……もう死んじゃおうかな」
正直疲れちゃったよ。エレナもレンも死なせてしまうような僕に生きている価値なんてもうないんだ。僕は近くにあった縄を椅子を使い天井につるして首を入れる。
「今逝くよ。エレナ、レン……」
そして椅子を蹴飛ばそうとする。
「入るぞ……!何をしとるんじゃッ!!」
そこにお爺さんが入ってきて僕のしようとしている事を見た瞬間刀を抜き縄を斬る、支えのなくなった僕の体は地面に落ちた。
「げほッ、ごほッ!」
喉を抑えせき込む僕をお爺さんは老人とは思えない力で立ち上がらせた。
「何を馬鹿な事をしとるんじゃ!そんな意味のない事をしようとするとは!」
「……ほっといてくれれば良かったのに」
「何?」
「ほっといてくださいよ!もううんざりなんですよ!エレナもレンも死なせてしまった僕に生きる価値なんて……」
「馬鹿者がッ!!」
お爺さんは僕の右頬を平手打ちした、鈍い痛みが頬に広がっていく。
「何を……」
「お前さんがしようとした事は、人間として恥ずべき行動じゃ。親から授かった命を自分から捨てるなど絶対にあってはならん!それにお前さんが死ねば悲しむ者達が必ずいるはずじゃ」
「僕に親なんて……!」
僕の親、悲しむ人……
(ボン、困った事があったら俺に言うんやで、必ず助けたるからな)
(お前は無茶をするからほっとけんな、今は俺達が守ってやる、だから後ろにいろ)
ゼノ、レオ……
(貴方は私にとって弟でもあり息子でもあるの、
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