第14話 今自分がすべきこと
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「お前さん外に行くつもりか、この吹雪の中そんな体で出たら死ににいくような物じゃぞ」
「でも僕は行かないと……あぐッ!?」
「ほれ見た事か、傷が開いてしまったじゃないか。それにしてもそんな体で必死に慌てたりするとは……もしかすると何か事情があるのか?」
「それは……」
僕はお爺さんに自分に起こった事を話した。D∴G教団の事、レンの事を。
「なるほど、今ゼムリア大陸中で起こっている誘拐事件はそいつらの仕業か。そしてお前さんはとらわれていた施設から脱出しようとして仲間を置き去りにしてしまったという訳じゃな」
「はい、だから僕は行かないといけないんです、ぐッ!」
「だからそんな体じゃ無理じゃというのに……仕方ない、わしがそこに行ってこよう」
「えッ?」
「今のお前さんは絶対に無理をしてでもそこに行こうとするじゃろう、だから代わりにわしが行ってこよう」
「ですが……」
「納得できんという顔をしとおるの。じゃが先程から言っとるがそんな傷だらけの体で崖を登れるか?ましてはこんな吹雪の中…誰がどう考えても無理じゃろう、そんな無茶をして死んでしまったらそれこそ本末転倒という奴じゃないか?」
……この人の言ってることは正しい、今の僕は唯意地をはってるだけだ。このまま外に出ても死ぬだけだろう、話をしている内に少しだけ頭が冷えたようだ。
「でも助けて頂いた上にそんなことまで頼むのは……」
「助けた相手に死なれてしまったら後味が悪いじゃろ、気にすることはない」
そこまで言ってくれるなんて……どの道僕は満足に動けないしこの人に頼るしかない。本当は僕が行きたいが今はそんな意地を張っている場合じゃない。
「申し訳ありません、どうか僕の代わりに様子を見てきてくださいませんか?」
「承知した、なあにそう心配するな、お前さんの仲間を見つけて直戻ってくるからのう」
お爺さんはそう言って部屋を出て行った。残された僕はレンの安否を祈ることしかできなかった、どうか無事にいて、レン……
side:??
リィンのいる部屋を出た老人は菅笠と蓑を纏い刀を構え外に向かった。降り注ぐ吹雪の中リィンが倒れていた場所に向かう。
「……ここか」
老人がついた場所はブレイズドッグが倒れていた場所だった、雪に隠れてしまっているが血の匂いが微かにするため間違いないだろうと彼は思った。
「あの子の話じゃたぶんこの崖の上にあるはずじゃが……よし、山登りならぬ崖登りじゃ」
老人は急斜面の少し尖った場所に飛び乗ると同じ要領で崖を登りだした。
断崖絶壁を、ましては吹雪も吹き荒れる環境を物ともせずひょいひょいッと崖を上がってい
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