暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1310話
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の方へと視線を向ける。

「……ま、いいわ。気になる事は後で聞けばいいもの」

 エリナの方も一旦矛を収めたらしく、その隣に佇んでいるプロスペクターの方も安堵の息を吐いているのが分かった。
 ま、今はそんな事をしている訳にはいかないってのはエリナにも分かったんだろう。
 出来ればこのままエザリアとの交渉に熱中して、その辺を忘れてくれればいいんだが。

「交渉はどこで行う? エザリアがこっちに来たんだし、ナデシコでやるか? それとも、ネルガルの研究所の方でやるか?」
「そうですね、研究所の方はまだ片付けが終わっておりません。出来ればナデシコで行いたいのですが……」
「だろうな」

 研究所の様子はこの目で見た以上、プロスペクターの言葉には頷かざるを得ない。

「エザリアはいいか?」
「ええ、私はまだこの世界の事を十分に理解している訳じゃないから、その辺は任せるわ。それと、今回の交渉はあくまでも交渉前の意見の擦り合わせ、という認識でいいのよね?」
「はい、勿論その通りです。あ、名乗るのが遅れましたが、私はプロスペクターと申します。彼女はエリナ・キンジョウ・ウォン。今回の交渉で、ネルガルの代表という形になりますな」

 プロスペクターの言葉に、エリナは今まで俺を見ていたのとは全く違う表情へと一瞬で変わり、笑みを浮かべて口を開く。

「エリナ・キンジョウ・ウォンです。まさか、異世界という存在をこの目に出来るとは、私は非常に幸運ですね。また、異世界の政治家とこうして交渉する機会を持てた事を感謝します」

 へぇ……この変わり身の早さは凄いな。いや、変わり身っていうとちょっと表現が悪いか? それでも場に合わせた表情を作るのが上手いのは、ネルガルという大会社の会長秘書をやっているだけはある。
 そんなエリナに対し、エザリアも笑みを浮かべて口を開く。

「そう言って貰えると私も嬉しいわ。アクセルの扱いには色々と困ったでしょう? 腕は立つものの、一国の代表という立場の割りにフットワークが軽いのよ」
「それは分かります。まさか一国の代表がこうして自分だけで他の世界に来るような真似をするなんて……いえ、私達も迂闊にそういう事は言えないのですが。うちの会長も色々と問題がある方ですから」
「あら、そうなの。お互い上に立つ者の性格には苦労するわね」
「全く」

 出会ってからまだ数分も経っていないというのに、あっという間に意気投合したな。
 会長秘書と政治班のトップ。似ているようだし意外と馬が合うんだろう。

「一応言っておくけど、アクセルに惚れると苦労するわよ?」
「なっ!?」

 お互いに気が合うという事は、性格も似ているという事。
 つまり、相手に主導権を与えたくないと思うのは当然であり、だからこそエザリア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ