第七話 姉としての責任その十三
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「二人、三人でないと駄目な時はね」
「そうさせてくれるんだね」
「そうだと思うわ」
「一人で乗り越えられる時は」
「そう、一人なのよ」
「無理な時は」
誰がどう考えてもだ、無理な時もあるとだ。優花はここで言った。
「あるんじゃないかな」
「その時は周りを見ればいいのよ」
「そうすればそうした人がいるんだね」
「手を差し伸べてくれる人をね」
『人が』ではなかった。ここで優子が使った言葉の表現は。
「神様が用意してくれているのよ」
「絶対になんだ」
「人は弱いものでしょ」
「うん、そうだよね」
「だから一人で絶対に無理な時はね」
「神様が用意してくれてるんだ」
「そうなのよ」
そうした人をというのだ。
「だからその人を探すのよ」
「周りを見て」
「そう、ただね」
「そうした時にだよね」
「人は見るのよ」
しっかり、というのだった。
「悪い人には気をつけなさい」
「そうした時にこそだよね」
「変な人が来るから」
「詐欺師とか」
「そう、利用しようとする人がいるから」
「人の弱みに付け込んだりする人がなんだ」
「そうした人は本当にいるのよ」
その現実もだった、優子は弟に話した。
「よく知っている人がいいわ」
「姉さんや龍馬みたいな人だね」
「そうよ、若し優花に何かあったら私や龍馬君がいるから」
「頼っていいんだね」
「少なくとも優花は一人じゃないわ」
このことはまた保証したのだった。
「安心してね」
「それじゃあね」
優花は姉のその言葉に微笑んで頷いた、そうした話をしながらだった。優子は二人にとっての運命の時を決めたことに覚悟をしたのだった。
龍馬はある休日の朝母親にだった、コンビニの帰りにこんなことを言われていた。
「悪いわね、一緒に来てもらって」
「いいさ、一人で外に出るのはな」
「危ないっていうのね」
「だからな」
それで、というのだ。
「こうした時は今みたいにな」
「一緒に来てくれるのね」
「絶対に声かけてくれよ」
こう言ったのだった。
「危ないからな」
「女の日tは一人で出歩くな、なのね」
「親父がいない時はな」
「今日みたいにね」
「いつも親父と一緒に行ってるよな」
外に出る時はというのだ。
「休日は」
「普段のお買い物の時は違うわよ」
「その時は車で行ってるだろ」
「スーパーにはね」
「車だとまだいいけれどな」
「歩いて出る時はなのね」
「親父がいなかったらな」
その時はとだ、また言った龍馬だった。親子でそうした話をしながら海がすぐ左手にある家までの道を歩いていた。
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