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戦国異伝
第二百五十三話 最後の合戦その三
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 信長は自ら船に乗り込んだ、そして彼自身は槍を振るってだった。
 魔界衆の軍勢を倒していこうとする、だがこうした斬り合いならばだった。
 やはり慶次だった、慶次はこの時も朱槍を振るって敵を薙ぎ倒していた。
 慶次は魔界衆の者達を倒しつつだ、彼等に言った。
「さあ、わしと死合う者は来い!」
「またあの男か」
「本能寺でも暴れてくれたが」
「ここでも出て来るか」
「そして我等の邪魔をするか」
「邪魔はしておらぬ」 
 慶次は魔界衆の者達のその言葉は否定した。
「ただ戦っておるだけじゃ」
「おのれ、そう言うのか」
「ただ戦いたいだけというのか」
「そうじゃ、しかしな」
「しかし?」
「しかしというと何じゃ」
「わしは御主達は好かぬ」 
 魔界衆、彼等はというのだ。
「それは言っておく、御主達は暗いわ」
「我等が闇だからか」
「それでというのか」
「我等は暗いとか」
「そう言うのか」
「違うな、闇におるだけでなく性根が闇に染まっておる」
 慶次が彼等を嫌うのはこのことだった。
「その暗さが好かぬのじゃ」
「ふん、そもそも我等は闇」
「闇そのものじゃ」
「そのことを言われてもどうも思わぬわ」
「何故思うところがある」
「そうじゃな、しかし当初からまつろわぬ者達だったのではあるまい」
 慶次が彼等に指し示すことだった、このことが。
「そこれで堕ち染まった、それがじゃ」
「好かぬ」
「そう言うのか」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「御主達はな」
「それがどうかしたのか」
「どうということはないわ、我等にとってはな」
「全てはこの国に害を為すだけ」
「闇となりな」
「やはり暗い、所詮はそうしただけの者達」
 慶次は魔界衆の兵達に彼がこれまで誰にも見せたことのない実に楽しくなさそうな目を見せた。
「下らぬ」
「下らぬなら下らぬでいい」
「我等はそんなも意識に介さぬ」
「では早くここに来い」
「すぐに倒してやるわ」
「面白くもないが」
 慶次はその面白くなさそうな顔のまま言った。
「来るならば相手をしてやろう」
「御主も誰でも倒してやるわ」
「そして織田信長を滅ぼす」
「必ずな」
 魔界衆の者達はこう言って慶次に向かうが倒されるばかりだった。そしてそれは慶次に対してだけではなかった。
 加藤清正もだった、その十字槍を振るって戦いつつだ。隣で刀を振るう福島達に言った。
「まさかな」
「うむ、こうしてな」 
 福島が加藤に応える。
「自ら刀を振るってケリをつけるとはな」
「思いも寄らなかったな」
「全くじゃ」 
 こう言うのだった。
「そこまではな」
「そうじゃな、しかしな」
「うむ、こうなることはな」
「納得がいくわ」 
 加藤嘉明もこう
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