第十一話 自衛隊との共同作戦3
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「逃避行は中々、消耗するね。舗装されてない道だから、昨日の雨のせいで地面は泥まみれ。そのせいで馬車の車輪が嵌って移動速度は低下。」
そして次々と起こるトラブルも相次いでいるが、伊丹と島田の部隊だけでは対処は出来ないので、脱落した人間に関しては、非情かも知れないが見捨てるしかなく、ついてくる人間しか守る事が出来ないのが現在の第三偵察隊の現状である。
「クロちゃん。女の子の様子はどう?」
「伊丹二尉、同じエルフであるクリストフ兵長の助言もあり、異常はありません。」
黒川茉莉二等陸曹。女性にしては長身であるが、その黒髪の長髪の大和なでしこを思わせる美人であるが、第三偵察隊の男性陣曰くかなりの「毒舌」との事である。自衛隊中央病院から招集された医療活動による主幹人員である。
そんな黒川の隣にいる美形の男性エルフを伊丹は見る。そのエルフは、島田の部下である男性エルフで、唯一の生存者である少女エルフを黒川と見てもらう為に、高機動車に搭乗させるように島田に許可を貰って、現在は島田と入れ替わる形でクリストフが高機動車に搭乗している。
伊丹の視線に気がつきニコリと笑顔で対応する青年エルフであるクリストフ、そして外面だけでなく内面も非の打ちどころがなく紳士的な態度であるため、アルヌス駐屯地にいる女性自衛官からも人気がある。なお、これを知って「外見内面共に完璧イケメンって……ガチのリア充っす」と、クリストフの対応にどんよりとした倉田が落ち込んでいたのであった。なお伊丹は、これを無視してた。リア充が羨ましいとは、同じ男性でもあるため多少は持ち合わせているが、かといってそこまで執着する人間でもなかったからだ。
「しかし、まあ〜あれだね。アカツキ帝国だと、エルフとかが軍人になるのも珍しくないんだ」
「そうでもないですよ。同じ亜人でも、軍人になるのは獣人達が中心ですし、エルフがアカツキ帝国で働く場合は自然関係の仕事が殆どです」
実際に種族の価値観の違いもある。基本的に短命種は、結果を直ぐに求めて早期に技術を学ぶのに対して、エルフを筆頭とした長命種族は自然に気長に覚えればという考えがあり、アカツキ帝国に奴隷から解放された事は感謝はするが、昔ながらの森の中で気長に生活したい者が多く、働くにしても自然の中で生きていたエルフは、自然と調和する仕事を選ぶ場合が多いのだ。
そのため、荒行ともいえる軍人になる事は珍しいとの事だ。
「じゃあ何で軍人になったの?」
「ん〜なんといえば言いですかね。奴隷だった頃に市民に戻してくれたアカツキ帝国に感謝して、軍に志願したというのが動機の一つでもありますね」
クリストフは、元々はエルフの中でも変わり者に属されるエルフであった。とにかく外界にて、刺激的な毎日を過ごしたいという思いが強く、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ