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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
4.SES計画V
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できるんだが、それはBETAのレーザー兵器に撃たれない僅かな間だけだ。戦闘機よりも装甲があると言ってもBETAのレーザー兵器の前ではほんの数秒しか持たない。それに直撃したらそれだけで終わりだ。」
民間には伝わっていない情報だが、数種類あるBETA種にあって光線級、重光線級はもっとも人類を苦しめている種だった。他のBETAが地上戦の、原始的な物理攻撃しかしてこないのに対して、光線級が放つレーザーは人類では再現できない程の高出力であり、射程も圧倒的。しかも照射対象は原則外すことがないという反則的な攻撃だった。
「それに空中から攻撃できたとしても爆撃機のような攻撃力はない。重量が重くなれば鈍重になるし、推進剤の消耗も早い。そして地上戦では…表現できないほどの物量で襲ってくるBETAを相手にしなくてはならない。いくら殺しても湧いてくる。一匹殺している間にBETA集団は一歩、また一歩と前進してくる。だから戦術機での戦いではかなり高い確率でBETAとの接近戦になる。弾数にも限りがあるし、戦線を維持するためには簡単に後退することもできない。だからこそ近接格闘戦が重要なんだ。剣は折れなければ使えるし、使い方によって威力や手数を自由に変えられる。」
「なるほど…しかしそこまで数が多いのであれば囲まれた時は絶体絶命ということになりませんか?」
「確かに囲まれた時は相当厳しい戦いになるな。だが奴らの攻撃は単純だ。体当たり、腕を振り回して殴る、噛みつく。大体がそんなもんだ。数は多いし耐久力も高いが、攻撃は単調だ。訓練を積めば一つ一つの攻撃の回避は容易だ。ただレーザーで制空権を取られた状態で大軍に囲まれ孤立すると流石に厳しいな。そうならないために隊の連携があるんだが。」
「そうですか…では剣術そのものも重要なんですね…。では今後の訓練ではどの様に取り組むべきでしょうか。」
「そうだな…。最初の一、二年は真剣の戦いの前に剣術を教えよう。ある程度素地ができたら長時間の戦いに慣れてもらう。疲れても平常心を保てるようにな。俺のところではそんなものだろう。他の訓練は惣一郎さんが考えてくれているのだろう?」
こうしてこの日より、巧は柳田の下で剣術の訓練を積むことになった。この経験は巧の人生を大きく変えていくことになる。
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柳田の訓練の他にも、巧の訓練はある。幼少の頃から続けているSES計画のトレーニングである。これも中学に入ってから変化した。早朝ランニングでは50kgの重りを背負い、格闘術や擬似的な射撃訓練を組み込んだサーキットトレーニングを元帝国陸軍人だった指導官監督のもと行った。また衛士適正を高めるための訓練では、庭に大型の機材を設置し、回転、加速、揺れ等が不規則に発生する機械に長
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