御使いのいる家 ぱ〜と4
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この不満が!」
「応ともさ同志よ!始原文明エスめ、もし私が過去に戻る機会があったらもっとハンサムな顔立ちと年齢に変更させてやる!デザインベイビーが許されるなら永遠の時を生きるこの私の顔をちょっとくらい良くしてもよいだろう!?」
「そうだ!!このような扱いに我等は共通の怒りを覚えていいのだ!これは正当な怒りだ!!」
見苦しいおっさんたちの見苦しい文句がバーにぶちまけられる。バーテンダーは面倒くさそうな顔をしているが、ここのオーナーがクリティックなので下手なことは言えない。
しかし愚痴るのも無理はないかもしれない。ドクトリンは出番が少なかった上に元々怒りっぽいし、クリティックは組織が自分だけハブされた状態で存続しているのだ。これで不満を感じない奴はいない。
「やってられぬ!!呑むぞ同志!!」
「呑もう、盟友!!一晩明かすぞ!!」
ただし、二人の会話は純粋にジジ臭いというか、ダメな会社員の言い訳みたいというか………とにかく二人は小物臭いのである。言ってしまえば性格ブサイク。こればっかりは外見が変わっても決して変わることはないだろう。正に類友と呼ぶにふさわしい二人は人間離れしたペースで酒を呑みまくり、翌日の夜明けまでにバーの酒の半分を空瓶にしたという。
これが後に「ドクとクリの人情ハシゴ酒」という伝説のローカル番組の始まりになることを、二人はまだ知らない。
住民ナンバー02,「クリティック」
実はサムライスタイルなパッとしない中年。かつてはザ・データベースの一人として活動していたが、システム存在から自我を持ったことによって独占欲を高め、ザ・データベースを私物化・独占化していった。ちなみにこのクリティックは2週目のラスボスを務めた方。
地味、小物、おっさんと不人気三拍子が揃ったせいかザ・データベース唯一の完全悪役として一人だけハブられるという哀しい存在で、その背中からは哀愁さえ漂っている。なお、批評家らしくネチネチ物を言う態度は経営する会社の社員からも鬱陶しがられているが、才覚は本物なので皆渋々付き合っているらしい。
= =
その日――ミツルは自分にしては珍しくぱっちりと目を覚ました。
軽く伸びをして、欠伸をし、いつものように布団に入り込んだテンプティの絡みつく腕を振り払ってベッドの下に足をつける。そして、「朝飯は出来てるかなぁ」と寝ぼけ眼を擦りながらたった一つの個室のドアを開けてリビングへと足を踏み入れた。
そして、気付く。
無駄に高そうなガラス張りの大きなテーブル――
ふっかふっかの絨毯と簡易シャンデリアの光――
レース付きカーテン、謎の名画、無駄に高そうなインテリア――
「おや、起きたかいミツル!!」
「………なぁアドヴェン
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