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荒れ果てし
主なきにし
破れ家に
花咲きにしも
恋は咲くまじ
その家の主が亡くなって久しいが、古くなったその家の庭にすら春になれば花が咲き乱れると言うのに…。
私にはきっと春は来ないのだろう…。
私に…恋の花が咲くことはないのだから…。
どれだけ願い、祈ったとしても…彼と在り続けられるはずもないのだから…。
ただ待ちて
雨音聞かば
侘び濡れし
小鳥囀ずる
春の暁
ずっと待ち続ける…一方的な恋心は、ただのエゴでしかなく…虚しいだけの片想い…。
彼は…私のために来てはくれず…私を愛してはくれないのだ…。
そんな当たり前のことに淋しさと虚無感を覚え、一人部屋にいれば…いつしか小鳥の囀ずる時刻になっていた…。
後どれくらい…この痛む心を抱えていれば良いのだろうか…。
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