暁 〜小説投稿サイト〜
俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
外伝 憂鬱センチメンタル
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「そっか、言われてみればアイデアを交換したことはあっても作品を触らせるのは初めてだったんだな………つーか、よく考えたら見知った女の顔を彫刻して渡すとか新人職人の女口説きみたいだな………うわー思い出したら恥ずかしっ!」
「ふふふ……私の部屋で大切に飾らせてもらいます。そして「あれは?」と聞かれたら「ある職人が私にプレゼントしてくれたんです」と嬉しそうに説明して差し上げましょう。彫刻の底にも貴方のサインがありますからそれを見せるのも忘れずにね!」
「やめてぇぇぇーーーーッ!!」

 その小さなからかいを切っ掛けに、ヴェルトールは表面上、段々と昔のお調子者に戻っていった。内面も以前ほど薄暗くは無くなり、完全にではないが世界は次第に色を取り戻していった。
 
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