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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
終わりと始まりの境界で
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 始まりは終わりの続き、終わりは始まりの続き。
 知ってる……始まってしまったら終わるんだ。
 終わる、全て終わる。どんな物でさえも終わりを迎える。
 例え、無限の生命力を誇る化物でも。例え、永遠に結ばれた絆さえも。
 終わってしまうなら最初から無ければ―――こんな気持ちに成らずに済んだのに。

【第五次聖杯戦争】

 この戦争の始まりは不自然だった。
 本来なら言峰 綺礼はランサーのマスターを殺し。
 令呪を奪う事で聖杯戦争に参加していた。そう、本来なら。
 だが、現状ではランサーのマスターは殺されず。ランサーを使役し続けている。
 魔力を提供し契約は続行し続けているのだ。
 これは本来なら有り得ぬ事だ。それは有ってはならぬ事だ。
 言峰 綺礼は神父だ。
 前回の聖杯戦争に参加し『生』き延びたマスターの一人。
 彼はこの聖杯戦争では召喚される事はないサーヴァントを使役している。
【ルーラー】マスター要らずのサーヴァント。
 特殊系統の英霊で召喚させる事はまず、不可能なクラス。
 それを言峰 綺礼は引き当てた。いや、呼び覚ました。
 このイレギュラーは聖杯戦争《殺し合い》を加速させる。
 ルーラーは本来、有ってはならないクラス。それは言峰自身も理解している。だが、神父は彼を利用した。
 ルーラーも神父を利用している。相違の意見は食い違っている様で結び合っている。
 互を利用しあい聖杯戦争を勝ち抜き聖杯を勝ち取る。
 それは利害の一致とも言えよう。表裏一体の彼等の願望は同時に叶える事は不可能だ。結局、片方の望みは無意味に終わる。
 だが、もう片方の望み【希望】は叶えられる。
 救済と破壊は表裏一体。
 結局、どちらの望みも変わらない。形、有るものは何れ壊れる。
 形、無きものは何れ喪われる。
 汝、聖杯を欲し。最強を望むなら―――。
 最強を持って、最強を証明せよ。





 結局、あれから連絡は途絶えた。
 する事も無ければやる事もない俺は蒼崎 橙子の職場で厄介になっていた。
 働かざるもの食うべからずってね。仕事のアシスタント的な事をして時間を消費している。
 うん、雑用なんだけどなかなか楽しいね。
「天城、冷蔵庫からアイスを取ってくれ」
「はいよ……って式さん。一日にアイスを何個、食えば満たされるの?」
「さぁな。一日も食べない日も有るだろ」
「そうなんですかね……毎日、食べてるから分かんないですけど」
 両義 式はアイス……ハーゲンダッツのストロベリー好きだ。
 どれ位、好きかと言うと。毎日3個以上は確実に食べますね。まぁ、自分で稼いだ金で買ってくるから文句は言わないけど―――せめて自分で取って下さい。
「あ、橙子さん。珈琲、淹れましょうか?」
「あぁ、頼む
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