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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
終わりと始まりの境界で
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は飽きました。
 私と対面する方は毎回、決まった様に訪ねてきます」
「質問に答えろ!」
 アーチャーは声を荒げ、二刀を男に向ける。
 バーサーカーに向けていた殺意以上の殺意を込めて。
「何者……そして私は決まった様にこう返します。
 名乗る程の者ではないと」
 ―――キーンッ!!
 美しい音は夜の森を彩り、火花を散らす。
 それはバーサーカーと打ち合っていた時とは違い、滑らかで心地よい鉄と鉄がぶつかり合う音。
「おや、いきなりですね」
 男はアーチャーの二刀を防ぎながら呟いた。
「さて、どうしたものか」
 男の刀はアーチャーの二刀を弾き、粉砕する。
 バーサーカーの一撃さえ耐え抜いた剣を一撃、たった一撃で粉砕してみせた。
 動揺は隠せない。
 だが、それでもアーチャーは即座に新しい剣を投影し。
 男の刀に叩き付けた。
「寡作にしてはやりますね」
 数度、振るわれる男の刃。
 静かな一撃、一撃はバーサーカーに比べると軽い。
 それなのに男の刃は重い。的確にアーチャーの二刀の弱点に叩き付け、粉砕するのだ。
「さて、あと何本でしょう?」
「まだ、だッ」
 ―――トレース・オン!
 アーチャー、贋作者は新たな二刀を投影する。
 攻防は激しさを増す、アーチャーは攻撃の最中……イメージする。
 イメージするのは常に最強の自分―――投影はイメージを形にするのではない。
 今一度、それを理解し直し。アーチャーは投影した二刀を【強化】した。
「オーバーリミテッド・エクスプロージョン!」
 複製した物を全く別の物質に変換し、贋作は形を変える。
 まるで巨大な龍の鱗の様な剣。ギザギザと刺々しい剣をアーチャーは男の日本刀に叩き付ける。
「―――ほぉ、」
 今度は折れなかった。
 それどころか、男の身体はアーチャーの斬撃で少し後退した。
「投影物を強化する魔術ですか……非常に興味深い」
 男は自身の左手をアーチャーに向け。
「右腕・悪逆捕食【ライトハンド・イヴィルイーター】」
 ―――なんだ。
 ―――――このざわめきは……この感覚は。
 直感、何かを感じる。これは『投影』の魔術―――?
「アーチャー。貴方程では有りませんが、私も投影魔術を使える様です」
 男の背後では大量の黒鍵が投影され。
 その黒鍵、全ての矛先が、アーチャーに向けられていた。
「アーチャー……いえ、衛宮 士郎」
 男は笑顔で。
「―――さようなら」
 それは残酷な笑顔だった。
 黒鍵は一斉に発射される。
 その数、二十五本。全てを回避するのは不可能だ。
 魔力貯蔵も限界……あと数回の投影を行使すれば魔力切れで消えるだろう。
 まだ、終われない。
 ―――諦めない、俺は進むんだ。

 例え、この身を滅ぼそうと
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