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Fate/GrandOrder///OutBre;ak
終わりと始まりの境界で
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じゃ……」
「アーチャーはその名の通り、遠距離を得意とするサーヴァントだし。ここは衛宮君のセイバーが動きを封じてアーチャーの矢で決定打を与えられれば……」
「無茶、言うな! セイバーに囮になれって言うのか!?」
「さっきからそうでしょ」
 確かに、そうだ。
 でも、アーチャーの矢では決定打をダメージを与えられない。
「心配しないで。あの馬鹿、秘策があるらしいから」
「秘策って……」
 俺は無力だ。
 何も出来ない。この状況を変えることも一変する事も。
「セイバー……」
 セイバーは真剣な表情でバーサーカーの一撃を避けながら攻撃を続行する。
 何度か、擦り傷を与えている。
 多少なりともセイバーの攻撃は身を積もらしている。
 だが、それは無意味に終わる。
 あのバーサーカーは傷を癒せるのだ。
 あれ程の戦闘力を持ちつつ再生能力を持った英霊は歴代聖杯戦争のサーヴァントでも指折りに入るだろう。
 強固な守備に鉄壁の防御力。それに加えて再生能力だ。
 怒涛の攻撃力は鉄壁の防御力と繋がり、攻撃に転じれば怒涛の攻撃と連撃でセイバーの攻撃を封じ。
 防御に転じれば再生能力と防御で凌ぎ切る。
 なら、マスターを倒せば―――。
 サーヴァントは魔術師【マスター】と契約する事で現界している。魔力源を断ち切ればサーヴァントは魔力供給源を失い……バーサーカーは消えるはずだ。
 バーサーカーのマスターはバーサーカーの後方で俺達の行動を観察している。時に賞賛し、時に落胆する様な素振りをみせ、遊んでいるのだ。
 しかも、そのマスターは女の子なのだ。
 余計にたちの悪い。魔力源を断つって事はマスターを殺す事と同義だ。
「どうすればいい……どうすればこの状況を乗り切れる」
 俺は、誰も不幸になってほしくない。
 救えるのなら救われぬ者を全て救いたい。
 俺が、救われた様に。守れるのなら全て守りたい!
 それは傲慢なのかもしれない。
 でも、例え、傲慢でも。俺は進むんだ。
「セイバー!」
 激戦の最中、セイバーはコチラに振り向く。
 そして一言。たった一言。
「―――勝て!セイバー!」
 大声で叫んだ。
 バーサーカーのマスターは俺の大声で驚き。
 アーチャーのマスター 遠坂 凛は間抜けた表情で俺を見ている。
 半ばか呆れた表情でセイバーは俺を見て。
 薄らと笑顔で戦闘に戻った。
「アンタねぇ……まぁ、士郎らしいけど」
 遠坂は少し笑っていた。
「さて、アーチャー。準備は出来た?」
「あぁ、問題ない」
 霊体化していたアーチャーは姿を現した。
 真っ赤な聖骸布を身に纏った男は弓を構え。
「凛、魔力供給を頼む。些か、この矢は魔力を消費するのでね」
「解った。でも、外さないでね」
「解っているさ」
 
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