第23話 無名曲
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..」
木山の自殺を止めた初春は、手錠を外してもらい、怪物について聞いていた。
「レベルアッパーのネットワークによって束ねられた一万人のAIM拡散力場が触媒になって産まれた怪物『幻想猛獣(AIMバースト)......学園都市のAIM拡散力場を取り込んで成長しているのだろう」
ネットワークの核であった私の感情に影響されて暴走しているのかもしれない
「どうすればあれを止める事ができますか?」
「それを私に聞くのかい?今の私が何を言っても君は信用できない......!」
「いいえ」
初春は大きく首を横に振った。
「木山先生は嘘をつきませんから」
それは、純粋で真っ直ぐな目をしていた。
あの子達と同じように、どこまでも澄んでいるような印象。
センセー
大丈夫?
センセーの事
信じてるもん
怖くないよ
かつての証拠もない、信頼関係。
故に自分も疑うことすら出来なくなってしまう。
木山は顔を伏せて、笑みを浮かべる。
「......本当に、根拠もなく人を信用する人間が多くて困る。預けたものはまだ持っているかい?」
初春は、自分の胸ポケットに手を入れて確認した。
「はい」
「アレはレベルアッパーのネットワークが産んだ怪物だ。ネットワークを破壊すれば止められるかもしれない。試してみる価値はあるだろう」
「ありがとうございます!変な考え起こしちゃダメですよ」
収穫のあった初春は、最後の手段を携えてサソリが待つ場所へと走り出した。
その頃、眼鏡を掛けた女性隊員が膝をガクガク震わせながらその辺にあった鉄の棒を杖変わりにして前へと進んでいた。
怪物が暴れている爆心地にテレポーテーションされて、爆発を辛うじて躱して、戦っていた女の子に「原子力実験炉」があることを伝えたら、流石に冷や汗を流しながら
「......まじ?」と返された。
まあ、そんな反応になりますよね。
それにしてもあの赤髪の子、人遣いが荒いわ。
こっちの方が歳が上なのに。
えっと次は、木山の所にいる子を見てこいだっけ?
鉄橋の下で木山が腰を降ろしているのを見かけ、隣から人質となっていた女の子が飛び出してきた。
「いたー!ちょっとそこのアナタ!待ちなさい」
こういう時に膝が上手く動いてくれない。
だが、女の子は必死の形相で高速道路への階段を上がり出した。
「何が掴んだのね!?」
そう思わないとやってられない。
初春が必死に階段を駆け上がっていると怪物の攻撃の光球が流れ弾となって初春の上がっている階段に直撃した。
「はひ、きゃっ!!」
音に驚き、腕を前に出して眼を瞑ってしまった。
ゆっくり眼を開けると黒い砂鉄が目の前で盾となっている。
「大丈夫ですの?」
白井が自分の持っていたラップに包
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