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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第23話 無名曲
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調にアンチスキルのメンバーの動きが止まった。
「は、はひ......」

お母さん、私今日死ぬかもです

白井は神妙で複雑な顔をすると、眼鏡を掛けた女性隊員に近づくとポンっと触れた。
サソリの無茶振りは今日に始まったことではない

「では、お願いしますの」
「お、お手柔らかに」
スッと空間移動で御坂の所へ送った。
「良いんですの?」
「これくらい役に立たんと困る」

******
倒れていた木山は、気がついて周囲の状況を確認した。
暴れまわっている怪物を見つけるとヤケになったように笑い出す。
「クッ、ハハッアハハハハ!」
それは、計画の失敗を意味する偶像だった。
計算上でしかあり得ぬ、机上の空論で終わるはずのもの。
ひとしきり笑い終わると、鉄橋に背中を預け、嘲笑した。
「すごいな。まさかあんなバケモノだったとは......学会で発表すれば表彰ものだ」

一万人分の脳を木山一人の脳で全て制御できるはずがなかった。
木山の中には、既にあった最悪のシナリオが目の前で暴れている。
「もはや、ネットワークは私の手を離れ、あの子達を取り戻す事も、恢復させる事もかなわなくなった.......か」
木山は、もしもの為に用意していた銃を腰から出した。
「おしまいだな」
木山は出した銃口を自分のコメカミに当てる。
安全装置を外し、引き金に手を掛ける。

最期にあの子達に会いたかったが
自分の全力を出し切った
周到に計画し、何ヶ月も掛けて準備をしてきた
赤髪君やレールガンに阻まれた結果だ
この世界は、強いものが真実

木山センセー

全てをかなぐり捨てても立ちはだかる闇の深さ
個人でこの都市の闇を払うことでは事態が無謀だったのだろう
まだ死んでいない子達とは、きっと違う場所に私は行く
先に逝って、あの子達が来たら「あの世」の授業をするのも悪くないな
また、教壇に立って
眩しいくらいに純粋な彼らと、もう一度やり直そう

人差し指に力を徐々に加える。
指の関節はどれくらい曲げれば良いだろう?
アソビはあるだろうか?

コメカミに当たる冷たい銃口から熱い弾丸が自分を貫く。
ただそれだけだ。それで終わる。

「ダッメェーッ!」
初春が木山に飛びかかり木山の自殺を引き止めた。
映画でしか見たことがないようコメカミに銃口というシチュエーションに初春は、無我夢中に飛び出した。

「ななななな何考えてるんですかっ!!早まったら絶対ダメ......」
木山の手から銃を払い退け、木山を押さえつけるように馬乗りになった。
「生きてればきっといい事ありますって......アレ?」
必死に抑えていたが、手錠が木山の首を絞めていることにようやく気付いた。
「手錠つけてるの忘れてた....
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