第一部
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はち
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り、宿主となる生物の顔面に張り付き、口や鼻で息が出来ないようにし、だめ押しとばかりに長い尾のような器官でその首を絞める。
そのまま宿主を昏睡状態へと陥らせ、体内に隠れている産卵管を口腔内へと挿入して硬い肉の幼体を産み付ける。
その間、宿主へとフェイスハガーが酸素を送り込み続けるので、宿主は死亡することなく、昏睡状態のままとなる。
しばらくすると、フェイスハガーは息絶え、顔から剥がれ落ちるのだが、このとき既に宿主の胸部辺りには、硬い肉の幼体が存在することになる。やがて昏睡状態を脱した宿主は、何事もなかったかのように生活するのだが、本人の預かり知らぬところで、幼体はその宿主から養分を吸収して急速に成長していく。
そして、成長した硬い肉の幼体は、蛇のような形をしたチェストバスターと呼ばれ、その名の通り、生きたままの宿主の胸部を突き破って現れる。
当然、宿主はそのときの激痛と傷が原因で命を落とすのだが、ここまで1日と掛からないどころか、早ければ数時間といったところか。
地球でいうところの生け贄は人間のことであり、生け贄の間にはフェイスハガーに寄生させられる為だけに人が集められる。
つまり、硬い肉の女王と人間、もしくはフェイスハガーが憑り付くことのできる他の生命体がいれば、幾らでも硬い肉を増やせるということに他ならない。
なので、この儀式が失敗した際は証拠の隠滅も含め、その文明ごと消し去る必要があり、実際に失敗した際はそうしてきていた。
そんな超生命体と言っても過言ではない硬い肉は、我々種族にとって非常に価値の高い獲物であり、頭蓋骨は文句無しにトロフィーになる。
たが、考えて欲しい。
成人にすらなっていない未熟な個体に、いきなりそんな難易度の高い任務を与えるというのは如何なモノなのか。
確かに博は付くし、自信にも繋がるだろうことは認める。しかし、只でさえ我々の種族の掟のひとつとして、「戦場では助け合わない」というものがあるのだ。
向こうは数と質で攻めてくる、こちらは質のみでそれに勝利しなくてはならないのだ。
つまり私が何を言いたいのか。
至極簡単だ。
最悪のタイミングで現れた女騎士に、私は現実逃避として背凭れの修復に取り掛かった。
だがしかし、多すぎた。
砕けた破片があまりにも多すぎたのだ。
大小入れて、いったい幾つの背凭れの残骸をかき集め、パズルのピースよろしくああでもない、こうでもないと断面を合わせながら唸ったことか。
しかも、中々に細かい作業に私の両手の指は拒絶反応を示し始
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