第2章:異分子の排除
第24話「あの時と同じ」
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る秋十に桜はそう言う。
「無人機...?あ、ホントですね。」
秋十は近づいて確認する。
「いつ気づいたんですか?」
「最初にブレードをぶつけた時。人の気配がなかったからな。」
「...ISでも読めない“気配”を読める桜さんェ...。...いや、心に水を宿せば俺もできそうですけど....。」
「やったな秋十君。君も人間卒業に一歩近づいたぞ。」
「あまり嬉しくありません。」
軽いやり取りをしつつ、二人はマドカ達の方を見る。
すると、あちら側も終わったようだ。
「教師陣も来たようだし、後は事情聴取ってとこか?」
「でしょうね。」
戦闘よりもそっちのが面倒そうだなと愚痴る桜。
「...って、桜さん!早く鈴を...!」
「っと、分かった分かった。」
すぐさま鈴の下へ向かい、桜は鈴に手を翳した。
すると頭痛で苦しんでいた鈴は、痛みから解放されたのか、そのまま気絶する。
「...これでいいが...今までで一番長く放置していた。後遺症が残る可能性がある。」
「そんな...!?」
神によって与えられた力による記憶の改竄。
それに自力で抗った場合、何が起こるのかは誰にも分かっていなかった。
だからこそ、いつも桜はすぐさま洗脳を解除するのだ。
「...まぁ、多少の後遺症なら俺でも治せる。...安心しろ。」
「....わかりました。」
断言した桜に、とりあえずは大丈夫だろうと思う秋十。
「ところで秋十君。」
「なんですか?」
ふと、思い出したように桜は秋十に問いかける。
「...どうして織斑を助けた?」
「....えっ?」
「あいつはお前にとって報いを受けさせるべき相手で、今回の戦闘では足を引っ張っていた。...俺も見捨てようとしていた。なのに、どうして助けたんだ?」
「......。」
桜の言葉に秋十は沈黙する。
どうして助けたのかという理由からではない。
まるで“死んで当然”かのように語る桜の目に、少しばかり背筋の凍る思いをしたからだ。
「....俺は、案外都合のいい考えをしてますからね。....ただ、目の前で人が死ぬのが見たくなかっただけ。...例えそれが、恨みのある相手だとしても。」
「それは、人を殺した事がないからか?」
「多分そうだと思います。...死体を見慣れたくはありませんから。」
今まで、何度か秋十は桜と共に違法研究所を破壊してきた。
しかし、人を殺した事はなく、研究の破壊に留めていた。
「誰もが死なずにすむ...そんな甘い考えを、俺はまだ持っているんでしょう。」
元々、秋十はかつて
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