第2章:異分子の排除
第24話「あの時と同じ」
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ける。
その姿が、鈴のかつての記憶を甦らせた。
「(...あの時と同じ...あの時も...彼は助けてくれた...!)」
日本人らしい名前じゃないからと、どうでもいいような小さな事で虐められていた鈴。
そんな彼女を助けたのは、秋十だったのだ。
「っ、ぁぐ....!?」
「大丈夫か!?」
突然、激しい頭痛に見舞われる。
洗脳によって改竄されていた記憶が蘇った際の拒絶反応である。
「っ、待ってろ...!」
心配する秋十だが、駆け寄る暇もなくさっきの三機が戻ってくる。
―――...自分だって虐められてるのに、どうして...?
「(...どうして、そんなに頑張れるの...?)」
必死に三機の攻撃を凌ぐ秋十を見て、鈴は思わずかつての時と重ねてそう考える。
「ぐっ....!」
SEが切れ、さらに頭痛で動けない鈴を庇い続ける秋十だが、限界が訪れた。
元々、秋十は庇いながら戦う事に慣れていないため、必然的にSEは削られ、鈴の盾となるしかなかった。
「断ち切れ...!」
飛んできたレーザーを切り裂く秋十。
しかし、その直後に飛んできたISの攻撃を受けてしまう。
「ぐ、ぅう....!」
気合で耐え、鈴を庇い続ける秋十。
...しかし、まともに攻撃を受けてしまった今、秋十は隙だらけだった。
「(しまっ....!?)」
「秋..十....!」
両サイドからビームで狙われる秋十。
その様子を見た鈴が、頭痛による痛みを顧みずに悲痛な叫びを上げる。
...秋十がこれまでかと、目を瞑ったその時...。
「秋兄を...やらせるかぁああああああ!!!」
飛んできたブレードとISによる攻撃で、ビームを撃とうとしていた二機は吹き飛んだ。
「秋兄!」
「マドカ...か...!」
助けに入ったマドカに対し、秋十は喜び半分、攻撃を受け止めている際の苦悶半分の声で答える。
「....秋兄、ここは一端私とセシリアに任せて、一度彼女を避難させて!」
「...分かった。気を付けろよ!」
単純な実力差と状況を考え、マドカの言葉に大人しく従う秋十。
今だ頭痛に見舞われている鈴を抱え、秋十は離脱した。
「...さーって...私の大好きなお兄ちゃんを怪我させた罪...その身を以って後悔しろ!」
「(....怖すぎて援護しにくいですわ...。)」
やはり妹なだけあって、千冬並の殺気を出すマドカに、遠くから狙撃を狙っているセシリアは怯えていた。
「(...なんだよ、これ...なんなんだよこれは
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