31話 奇蹟 3.6
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びかけた。
「フィフス!冷静を保て!我々はまだ負けていない」
フィフスはゼロの呼びかけに何とか平静を取り戻し、カミーユのガンダムを見据えた。
「どうする、ゼロ?」
ゼロは腕を組みカミーユの感覚を探った。ゼロの感覚が彼がかなりの肉体の酷使をしていることを理解した。
「・・・フィフス。あのガンダムはそうは持たない。このまま圧倒的な火力を奴にぶつけながらガンダムの体力を削り取る」
「わかったわ」
カミーユは2体を無視して、母艦に接近しつつあるサードのサイコガンダムへと突貫しようと追撃していた。それにゼロたちは止むことの無いオールレンジ攻撃の応酬を浴びせ続けた。
カミーユもその攻撃をシャワーの様に浴び続けていた為、神経を継続して酷使続けなければならなかった。痛みは慣れるが、心身の疲労感がその集中力を途切れさせる要因になることはカミーユも理解し、危惧していた。
「(早めに仕留めなければ・・・)」
カミーユはこの3体とも足留めできればとの想いで出撃していた為、戦闘としては甘さを抱えては足枷になっていた。カミーユはそれを決して覆すことはしなかった。
カミーユはメカニック、設計にしても目利きは世界で最高峰の技量・感覚がこの歳で備わっていた。
あの機体のそこを突くことで航行不能になるという部分を看破していた。それでいて機体を誘爆させないポイントを。
カミーユの眼前にサードのサイコガンダムが迫っていた。ゼロはサードに向かい危機を知らせた。
それは無線では呼びかけることが出来なかったため、念じた。
「(サード!後ろだ。やられるぞ!)」
サードはゼロの知らせに背筋に悪寒を感じ、後方モニターを確認した。するとウェイブライダーで突撃してくるガンダムの姿を目視できた。しかしその姿が異様だった。
「なんだ・・・あの赤いオーラは・・・」
サードはガンダムの纏う周囲のオーラがゼロたちのリフレクタービットを全て無効化にしていることを理解した。
「要するに、外部の圧力を全て弾く脅威の斥力か。この状態でこのガンダムに突撃されると・・・」
穴が開くとサードが冷静に分析した。したところで回避の術が困難極まった。
サードはサイコガンダムを反転させて、I・フィールドと自らのサイコフィールドを持ちうる上限まで展開させた。そしてカミーユのウェイブライダーがサイコガンダムに接触した。その瞬間、精神が異空間へ飛ぶの様な感覚に見舞われた。サードの周りが緑白い不思議な空間で自分が宙に浮いていた。
「なんだ。ここは・・・」
サードは丘の上に居た。眼下を見下ろすと街があるが、至る所火に包まれていた。
理由は分かる。現政権を支持しないで抵抗する組織のひとりがこの街に居ると言う噂がこ
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