31話 奇蹟 3.6
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ドと呼ばれるコードネームのパイロットが搭乗していた。最早自己不明な記憶の下、この機体の操縦と刷り込まれた恐怖がすべき使命を支配していた。
「サード!この蚊トンボは私たちが請け負うわ」
フィフスと呼ばれる女性が無線で叫ぶ。それにゼロと呼ばれる男性が追って言った。
「お前が仕留めなければオレらの悪夢が終わらないんだ。頼むぞ」
サードはそれを聞くと、無言で頷く。
彼らの悪夢。それは身体の極限に挑戦する程の過酷な洗脳だった。
10数人いた被検体の内、生き残り自我が保てているのがこの3名だった。
そしてその3人共記憶に封をされており、思い出すだけで気が遠くなるほどの激痛を感じてしまう。
その研究施設である箱庭と呼ばれる施設で刷り込まれた指示以外の余計な感情や想いは痛みに繋がるよう体が支配されていた。
フィフスとゼロはカミーユを追撃した。巨体とは思えない速度を出してカミーユを射程に収めた。
「フィフス!リフレクタービットをフルコンタクトで!」
「了解!ゼロ」
ガンダムの周囲を無数のビットが舞い、カミーユの周囲を取り囲んだ。
「なんだ、これらは・・・」
カミーユは何かが周囲を飛んでいることに気付いていたが、構うことなくサードのサイコガンダムへ追撃して行った。
フィフスとゼロはそのビットらに目がけて拡散粒子砲を放った。それを受けたビットは加速度的に次々とビットらへと反射させていった。
加速度は破壊力の増幅にもなる。豆腐でも速度が有れば物理的には如何なる硬度でも撃ち抜ける。
カミーユはその攻撃にさらされた。最早光に近い速さだった。
「(なっ!・・・これは受けると死ぬ)」
カミーユは追撃速度を落とし、回避に専念した。時折掠るビームが自身のサイコ・フィールドを突破する威力だと感じていた。
「このままでは・・・レベル2に上げるしか」
カミーユはバイオセンサーの開放をもう一段階上げた。
カミーユの心肺機能が一瞬止まって動き出す。それにカミーユが息切れをした。
「ハア、ハア、・・・しかしこれで!」
カミーユは再びギアをフルスロットルにし、サードのサイコガンダムを追撃した。
フィフスとゼロは攻撃の手を緩めなかった。
「愚かな!この2機のオールレンジ攻撃を掻い潜れると思っているのか!」
ゼロが怒りで叫び、カミーユに目がけて弾幕の嵐を浴びせた。
しかしバイオセンサーによるサイコフィールドにより、最早カミーユのガンダムには何人たりとも傷を負わすことができなかった。
「化け物なの・・・」
フィフスは愕然とした。その一瞬よぎった敗北感に強烈な頭痛に見舞われた。
「うぐっ・・・ああ・・・」
その反応は無線越しにゼロが気が付き、フィフスに呼
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