第五話〜事実と驚愕〜
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ライは未だ、かつての自分を見つめていた。
今は日本で行われた反逆者処刑パレード。ライにとって元の世界での最後の記憶であった。パレードに参加している車両には、反逆者として拘束されるかつての黒の騎士団の幹部や主要メンバー、ダモクレス攻略戦に参加したシュナイゼルなどの元ブリタニアの軍関係者。ナナリーとルルーシュの姿もその中にあった。そして彼らを見下ろせる位置にいるのは、一際豪華な櫓の座席に腰を降ろしているライであった。
パレードが進む中、人々の間にざわめきが起こった。パレードの進行方向に一人の人影があったのだ。それは力を持たない人々の希望。自分を1つの記号として世界に反逆した英雄。仮面の男『ゼロ』がそこに立っていた。
ゼロは突然駆け出しライのいる櫓に近づいていく。護衛であるKMFの銃弾を掻い潜り、側近である兵士を無力化し、確実にしかし迅速にライとの距離を縮めていく。そしてとうとうライの目の前に立ち、腰にさした剣に手をかける。
ライ『亡霊が!』
ライは懐から銃を取り出すが、すぐさまゼロに弾かれてしまう。
そしてゼロは剣をライの心臓に向けて突き刺す。しかしその瞬間のライの表情は怒りでも憎しみでもなく、安堵と優しさに満ちた笑顔であった。
心臓を刺されているのにも関わらずライはゼロにしか聞こえないように言葉を告げる。
ライ『ありが…とう…スザ…ク……後は……君…と……ルルーシュに……任せら…れる…』
ゼロ『……ライ。』
ライはゼロの正体を知っていた。それはライにとって最も信頼できる親友の二人の内の一人。そして彼は仮面の下で泣いていた。
ライ『これで……僕も…やっと眠ることができる……』
その言葉を聞き、ゼロは剣をライの体から引き抜く。その際に軽く勢いをつけ、櫓のナナリーのいる位置にライが転がるようにする。
ライがナナリーの目の前で倒れる中、ルルーシュは必死に涙を堪えていた。なぜなら未だにナナリーの目には憎しみが宿っており、それをライに向けているのだから。
しかしここでナナリーは気付く、ライの口が少し動いていることを。例え憎むべき相手でも最後の言葉は聞き取るべきであるとナナリーは考え、ライの手を握る。
ナナリー『あっ……!』
その瞬間、ナナリーはライの記憶を知り、全てを思い出す。
彼と出会ったこと、
彼と話したこと、
彼と折り紙を折ったこと、
その全てを。
ナナリー『そ…んな……ライさん?』
ナナリーは再びライを見る。
ライ『……』
しかしライは既に事切れていた。それを知ったナナリーは涙を流し絶叫した。
その光景を見ているライの意識は言葉を漏らした。
ライ「結局…僕は彼女を悲しませたのか……」
機動
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