閑話 ー 二刀流 ー
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ながら迫ってくる武装ゴブリンの一団へとターゲットのカーソルを合わせる。 おそらく先ほどの奇声で釣られて来てしまったのだろう。
剣と盾が3、弓が1……!
素早く戦力を確認すると小さく息を吐き、気息を整えると連戦を行うために意識を研ぎ澄ませる。 深く沈んだ態勢からダンッと強く石床を蹴り、地面スレスレを滑空するように突き進んだ。 横一列に並んだゴブリンの直前でくるりと体を捻り、右手の剣を左斜め下から叩きつける。 ゴブリンの構えた円盾とぶつかり合い、激しい火花を散らし、三体が同時に仰け反った。 そして、コンマ1秒遅れで左の剣がガードの上がったゴブリンたちの胴を切り裂いた。 二刀流 突撃技〈ダブルサーキュラー〉は、一度に三分の一以上のヒットポイントを削った。
さらなる追撃を仕掛けようとするも、ヒュッと風切り音を立てながら足元に突き刺さった矢によって阻まれる。 弓兵ゴブリンの援護射撃だ。
ダメージこそカトラスの直撃を受けた時の半分以下の値もないが食らってしまえば極僅かながらも硬直を強いられてしまうので軽視は出来ない。
第二射を叩き斬ると先に弓兵を落とすべく行動を開始する。 前衛を固める剣士ゴブリンを大きく弧を描くように迂回しながら、弓兵とある程度距離を狭めると、態勢を低くしながら強く地面を蹴った。 肩に担いだ右の剣が赤い光芒の尾を引きながら、さながらジェットエンジンのような轟音を立てゴブリンへと突き進む。
片手剣にして刀身の倍以上のリーチを誇る重単発技〈ヴォーパルストライク〉が急所である心の臓へと炸裂し元よりHPの少ない弓兵ゴブを屠り去る。
次……!と先ほど後回しにしたゴブリンたちへと視線を戻すせば、ギィギィと喚きながら接敵し、包囲網を完成させつつあった。 距離がある程度まで狭まると、ダンっと1秒の遅れなく地面を蹴った。 ここのゴブリン隊特有のコンビネーション攻撃だ。 三方位から迫る突撃はまず防げない。 そのために一体ずつ狩る必要があったのだが……。
絶対絶命の危機の中、冷静にも知り合いの刀使いの事を思い出していた。 確か似たような局面にてあいつはどうやって切り抜けていたか……。
記憶を掘り返し、自身にトレースするまでを1秒足らずで行うと、感覚を一層研ぎ澄ませる。 三方位から突撃してくるゴブリンの動きが手に取るようにわかる気がした。
突撃タイミングがコンマ秒の狂いもなく同時なため、合わせるのは簡単だ。
「ーーハ、ァァァァ!」
二刀を大きく広げ、裂帛の気合を放ち、体を高速回転させ光と共に全方位を薙ぎ払う。 二刀流 範囲技〈エンドリボルバー〉。 ガキィンと甲高い音を立て、ゴブリンたちが弾き飛ばされていくのを視界の端で捉え、上手くいったとほくそ笑んだ。 一瞬緩んだ緊張を張り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ