冴島 大河
第一章 刑期中の悲報
第三話 背負う罪
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くりな檜山が現れビックリした訳やな」
「似過ぎや、アイツ。兄弟とかそんなんじゃない、まるで佐川自身や」
あの真島が取り乱す程の男。
たとえそっくりだとしても、2人に接触してきたからには脅威になるに違いない。
もし檜山と対峙するようなら……。
「罪を背負ってたのは、俺だけやなかってんな」
独り言のように、ボソリと呟く冴島。
だが真島は聞いていたのか、煙草に火を点け言葉を漏らす。
「人は誰でも、何かを背負って生きてる。何も背負わない人間なんて、この世にはいない。俺らみたいな極道者は、それが罪っていうだけ。俺も、お前も……桐生ちゃんもな」
「……兄弟」
「あぁ?」
「関西弁なくなっとんで」
冴島に言われ、ハッと気付く真島。
知っていた。
真島から関西弁が無くなった時は、真面目な時だと。
落としそうになった煙草を何とか掴み、さっきまで溜息を吐いていたとは思えない程の笑顔を見せる。
「しけとる場合ちゃうわ。檜山の言葉信じとる訳やないけど、はよ行こうや」
「わかっとるわ、真島」
いつもの笑顔に戻る2人。
あの頃2人でやっていた事を思い出し、何だか懐かしい空気に浸る。
そうだ、こんな感じだった。
歩む足は、南へと向いていた。
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